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チルく生きればきっとラク。ネオ・シティポップの世界を考察する [邦楽]

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5月のゴールデンウィーク明け初日の朝、まだボーッとした頭で出社し席に着いたと同時に、上司に別部屋に呼ばれた。

「おはよう。milkさんね…7/1付で〇〇事業部門に異動になったから。引き継ぎもあるだろうから早めに言っとくわ。まだみんなには内緒でね」

「え・・・・えぇ??」

昨年の当社の未曾有の業績不振により、多くの人を早期退職あるいは別部門へ放出せざるを得なくなったらしい。私にはまさに青天の霹靂(へきれき)だった。

そういえばこの4月の組織変更で、色々な仕事の担当を外されてたっけ。そうか、徐々に引き剥がされていたのだな。そーですか、そーですか・・・。
それにしても、なにも異動の2カ月も前に言わなくても。異動といっても私の場合「転籍」になるため組合の都合などもあって内示を早くしたらしい。

そこから私の「やさぐれの2か月」が始まった。
有名作家だか人気漫画の主人公だかが「人間、腐ったら終わりだ。腐っちゃいかん」みたいな事を言っていた気がするが、本当にそう思う。「どうせ私なんかさ」的な感情というのは全てを負の方向に追い込みがちだ。
この劣等感や疎外感、無力観に覆われた自分のささくれた心には「癒し」と「気分転換」が明らかに必要であった。

元々私は車の運転が好きなので(ヘタだけど)、気持ちがやさぐれている最近はとにかく、休日になるとフラフラと1人で葉山へ江の島へ、みなとみらいへとドライブに出かけて現実逃避している。

そんな日々の中でいつしか私の心を明るくも優しく慰めるようになったのが
Chillい(チルい)シティポップの世界」なのであった。

チルいって何よ?続きはこちら!


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【心に刺さった1曲シリーズ】刑事コロンボのテーマ [サントラ]

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こんな私だが、実は最近はTwitterインスタもやっている。

でも、いかにも "映え" そうなお洒落なデザートプレートの画像などUPして「いいね!」がいくらかもらえたとしても、なんだか何かが物足りない。何かが消化不良なのだ。
やっぱり私は文章を駆使して思ったことを果てしなく書き綴り、コトバだけで自分を100%表現することができるブログが一番向いているんだろうなあと思う。時代に逆流、そこは残念だけど。

さて、ご存知の方も多いかもしれないが、去年からずっと毎週水曜の夜にNHKのBSプレミアムで『刑事コロンボ』を第1話から順に放映している。
残念なことに、私がその放送の存在に気付いたのが、この9月。
そこからは毎回しっかり録画して、休日の夜にアイロン掛けたりネイルしたりしながらそれを観るのが最近の何よりの楽しみ。

『刑事コロンボ』と聞いて「懐かしい~!よく観てたよ~!」という人で40代以下の人はほぼ居ないと思うが、私が同番組を一番よく観ていたのは、小学校低~中学年あたりかと思う。

貴方も観てた?続きはこちら!


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猫のように消えていった父と古賀メロディ [邦楽]

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早くも1年以上が経ってしまったが、それは昨年の6月の半ばのこと。

私は展示会関係の仕事で3日間大阪にいたのだが、母親がたまには旅行がしたいと言うので、最終日に母1人で新幹線で京都まで来てもらい、1泊だけのプチ京都観光旅行をした。

初日は金閣寺や二条城など訪ね、夕方からは少しフンパツして、鴨川の河原で初夏の涼風を感じながらの川床料理。
そして翌日は三十三間堂、伏見稲荷と回ったのち、まだ時間は15時頃だったが母が
「パパが家で独りでちゃんとやれてるか心配だし、まあちょっと早いけどもう帰るわ」
と言い出して、まだ日差しも傾かないうちに新幹線に乗り込んで帰途に向かった。

両親の住む実家は私の自宅からさほど遠くないので、改札で「楽しかったね、じゃあね」と母と別れ、20時頃だったか自宅に着いて一息ついたら母から電話があった。

「あ~お疲れ~。パパはどうだった?大丈夫だった?」

「・・・・それが。大丈夫じゃないのよ」

「え?何が大丈夫じゃなかったの?」

「パパね、冷たくなってる」

「はぃ?」

「氷みたいに冷たい。これはおそらく死んでる」

「・・・は??え、何、何???何かの冗談?やめてよ~」

「冗談じゃないの、本当なの。寝転んでテレビを見てる姿そのままで死んでるのよ・・」

「・・・・!!?」

何が起こった?続きはこちら!


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神々しく金色に光るあいつ ~大きな玉ねぎの下で~ [ひとかけらのお歌詞]

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        千鳥が淵 月の水面 振り向けば      
        澄んだ空に光る玉ねぎ

     (これ以上書くとまたJASRAC問題で削除されてしまうので、ここまで)


気付けばすっかり季節は秋。
日々何となくせわしなくて、さほど大した話はないけど新しい記事をたまには入れてみようということで、久々の 「ひとかけらのお歌詞」 シリーズを。

つい先週の話だが、たまたま仕事で東京・九段下にある "S館" という施設を訪ねた。

そこは戦中・戦後の日本の世相や人々の暮らしを今に伝える歴史資料館のようなところで、小学生の社会科見学とか、靖国神社参拝とセットで遠方から訪ねてくる年配者も多いという、まぁいわゆるそういう意味合いの場所。
(A首相とかもきっと来てるだろう。夫人とともに。)

私の会社のAV機器が館内に色々入っているので、その活用レベルやメンテ状況をヒアリングするという取材に近い仕事だったのだが、その建物の途中階の一部がちょっとした見晴台のようになっていて、そこでしばらく待ち時間があった。

一緒に来ていた同僚は煙草を吸いに行ったのか、まもなく姿が見えなくなったが、私は独りでそこに立って北の丸公園の方向の雄大な風景をぼんやり眺めていると、

「4月に来ていただいたらここの景色はもっとすごいんですよ」 

と、その日取材担当だった還暦前後とおぼしき男性職員が後ろから近づいてきた。

「あ~、そうでしょうね。あの木々は全部桜でしょうからね。」

「そうなんです。全部咲くとそれはもう圧巻ですよ。もう少し晴れてると武道館の擬宝珠(ぎぼし) もキラキラと光って綺麗ですしね。」

「武道館。そうですか・・・。え?何?いま何て言いました?ギ、ボ、シ?」

「はい。あの金色のね」

「あーーー・・・・」

あの玉ねぎのことか。"ギボシ" っていうのか。 へぇ~~。

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逃げ水のように消えていた二人 ~周回遅れのキリンジ (KIRINJI) 論~ [邦楽]

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桜咲く、 ですね。

最初に言っておくが、このトップ画像は別に、たまにエピソードに登場する私の兄と弟の写真とかではない。(なんか、そのくらい地味な1枚だけど)

昨年末、HONDAヴェゼルハイブリッドのCMソングに耳を奪われすっかりSUCHMOS(サチモス) ファンになった私だったが、ここ最近また、それ以上にガッツリ心を鷲づかみにされてしまったCMがある。

1ヶ月ほど前、それを初めて見た時は、その個性的な映像と繊細な音楽との合わせ技で、朝の出社前のひととき、私はバタートーストをかじりかけた口を半開きにしたまま、画面に釘付けになった。

それは、LINE MOBILE とやらのCM。

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しばらくその姿を見なかった女優の 能年玲奈 改め のん が、洗いざらしの白いYシャツを着て壁を背に立ち、ほわ~んとした表情でこっちを見ている。

その映像で、おそらく大半の人が
「おっ、シビアな事務所問題も片付いてやっとテレビに出て来たな能年玲奈」 と思うにちがいないが、そこに思考が行くと同時か、それより前に 「え、何このBGM…」 と、妙な違和感に包まれた人はきっとかなり多い。

可憐な若手女優を全面に押し出した映像にはややフィットしない浮遊感、脱力感、そこはかとない厭世観までもが漂うムードの歌声とバッキング。
しかし、得も言われぬ気持ち良さ、心のひだに語りかけてくるものがある。

けだるい春の日曜の午後、小花の咲き乱れる庭先にかけたハンモックでお昼寝をしている時に聴きたいような。
(家の庭でハンモックで寝てるやつなど見た事ない)

一体、これは 誰が 唄っているのだ?

続きはこちらをクリック!


どういうことでしょう? → 原因がわかりました [非音楽ジャンル]

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今日は、音楽とは一切関係がありません。

ここ数日のことなのだけど、家や会社のPCで自分のブログを表示させると、
こんな風な感じ(下記)で、突然文章が崩れるようになった。

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COOLでJAZZYでACIDな都会の夜に stay tune。~Suchmos~ [邦楽]

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10月のとある日曜日の午後、私は某アパレルメーカーのプレセールを覗きに、一人で有明の東京ビッグサイト に行った。

私は昔からバーゲン運がないというか、好きな服に出会えた試しがまず無いのだが、その日もやっぱり気になるアイテムは見事にひとつもなくて、完全に手ぶらなまま国際展示場駅のホームで新橋行きの ゆりかもめ を待っていた。

すると背後から突然
「セール、あまりいいものなかったですか?」 という声がして振り返ると、40歳くらいに見える長身の スーツ姿の男性 がニッコリ笑って立っていた。

急だったので 「えっ?ええ・・・まあ・・・」 と、あいまいに答えて、一歩離れたと同時にちょうどホームに滑り込んできた銀色のゆりかもめにそそくさと乗り込むと、混んだ車中の正面にきれいに2席だけ空いている。
その男性が、微笑んだまま「どうぞ、座りましょうよ」 と私を促した。
ここから30分近くも乗るから出来れば座りたいし、まあ変な感じの人じゃないし・・・と思って、言われるまま彼と隣り合って座席に座った。

電車が走り出し、東京ベイエリアの広々とした景色を眺めつつポツポツとその男性と話をしていたら、何と今私が毎日仕事で、AV機器を納入する新市場用の提案書まとめに苦労している、まさにその市場に特化したビジネスを展開している企業の社長をしているという。

しかも私の自宅のすぐ近所にある関係施設に日々営業で出入りもしていることも判明した。
私にとってはちょうど情報が欲しかったその市場をどう攻略していくべきか、の面白い見解を色々聞かせてくれて、いつしか話はやたらと盛り上がり、あっという間に新橋に着いてしまった。

話が佳境だったし、少しだけ名残惜しい感じはしつつ、会釈をして離れようとしたら
「もし良かったら汐留で少しお茶でもしながら続きを話しませんか?」 と邪気のない笑顔で言う。

私も長いこと生きてきて、街でナンパもけっこうされてきたと思うけれど、こういう「お茶しない?」 的な常套句を出されて、本当にお茶をしたことは1度もない。
でもこの彼の、自分で会社を起こすまでの苦労話とか、独自の事業ビジョンとかを30分聞いていて非常に好感が持てたことと、何よりもスーツ姿がピシッとしていて品があり、アクの強くない系の整った顔に真っ白い歯のこぼれる笑顔が何とも涼やかで。
会社の同僚男性は数多くいれど、こういうタイプには久しくお会いしていない。

少し迷って(まぁ、迷ったふりをしたというか) 「そうですね、じゃあちょっとだけ・・・」 と答えて、さっき出会ったばかりのその人と私は、コンコースを汐留方面に折れて歩いていった。

え、行ったの?と呆れたでしょうが、続きはコチラ!


僕が僕であるために。~尾崎豊、50歳にはならなかった永遠の17歳~ [邦楽]

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久しぶりのブログ投稿でいきなりなのだが・・・・

私は今日で 尾崎豊ファン 3日目になる。

亡くなって23年も経ってから今さら、しかもファン暦たった 3日 であれこれ語るのはあまりに僭越とは思うのだが、今、急激に尾崎がキている。 (u_u)
昨夜も、YouTubeを追いかけ過ぎて完全に寝不足だ・・・。

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3日前。穏やかに晴れた日曜日。
見るでも無しにテレビをつけながら隣の部屋でゴソゴソ片付けなどしていたら、まったりした休日の午後の空気を裂くように、故・尾崎豊 の張り詰めた歌声が突然耳に飛び込んできた。

特に彼のファンでもないので、テレビの画面に目を向けることもなく何となく歌声を聴いていたのだが、サビに向かっていく直前のBメロの展開が妙に美しい。
いつのまにか自然と一緒に口ずさんでいた。

なんでまた急に尾崎豊??と思ったら、その日は 尾崎豊の誕生日 だったらしい。
今まで、彼の "命日" がニュースになったのは何度も見てきた気がするが、"誕生日" という切り口は初めてな気がした。

彼が今も生きていたとしたら、この日(11月29日)でちょうど50歳だったという。
なので、TV局によっては「尾崎豊・生誕50周年」と謳っていた。記念CDや、アナログボックスのようなものもリリースされたりしているらしい。

普通「生誕◯◯周年」とか言う場合、通常の寿命では生きない年月、たとえば100年とか経って初めて付けられる形容詞じゃなかったっけ?たったの50年程度でも生誕とか言っちゃうんだ・・・と最初は思ったが、青臭い17歳の心のままで時を止めた少年が、もしそのまま生きていたとしたら、何ともう50歳にもなるのね、という逆の感慨も湧いてきた。

それにしても、なんて心に響く良い曲だろう。

その時流れていた曲は 『僕が僕であるために』 だった。
(あまりにも有名な曲だが、一応ライブ映像にてご紹介。すぐ削除されちゃったらすみません。)

  

ちょっと、ど~ですか、これ! (動画見てから次に行くように!)

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スガシカオ のビターな世界 ~No sugar, with some milk~ [ひとかけらのお歌詞]

             うきぶくろをもって
             (作詞・作曲/スガシカオ)
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            うきぶくろをもって~海に行こう
                  ・・・
            水平線のかなたに1そう
            船が浮かんでるのは
            遠い国の 密入国者の船かな……


先月、会社の仲間の1人がやってきて
「milkちゃんって いきものがかり は好き?」と唐突に聞いてきた。
私は、皆さんが思うより常識的な人間で、滑らかな人間関係を尊ぶほうなので
「まあ好きですよ。ヴォーカルのあの子、歌うまいし」 と笑顔で答えた。

すると驚いたことに 「じゃあ決まり!7月に横浜アリーナでライブがあるんだけどチケットが1枚あまっているから付き合ってよ」という返しが来た。

私は常識派とか非常識派とかいう以前に、実は 断ることが苦手な性格 で、家に突然やってきた「◯◯の証人」 みたいな宗教の勧誘とかも、ひとくさり話を聞いてしまうほうだ。
それに、Life with Music を標榜している私だし音楽全般を広く愛する心は大事にしたい。しかも何より 「チケット代いらないから」 って言うんで、私はそのお誘いを受けることにした。

そしてその翌日には、いきものがかりのアルバム2枚を手渡されて
「これ聴いて必ず予習してね。予習しないとライブってつまらないよ」 と釘をさされた。
それは私もよく分かっていることなので、家に帰ってすぐにiPodに曲を納めようとしたのだが、最近iPodの容量も相当一杯一杯になっている事を思い出し「良い曲だと思ったものだけ入れよう」と考えた。そして2枚のアルバムの曲の頭を40秒くらいずつ順に聴いて行ったのだが・・・・。

   「まずい・・・気に入った曲が、ただの1曲もない・・」   Σ( ̄▽ ̄;) 

(ここ、いきものがかりのファンも見に来るかな?来ないよね?)

まさか?と思ったのだけど、見事なくらいに1曲たりとも私の心の琴線に触れなかったのである。
吉岡聖恵の歌は上手い。楽曲もポップでいい。元気も出る。でも何だろう、今の自分にこのピチピチと希望に満ちた世界を真っ直ぐに受け止める受け皿がないのか・・・

  「♪ ありがとうと伝えたくて……」 (言わなきゃわからないようじゃダメだよね)
  「♪ ひとりじゃないんだ……」    (いや結局はひとりだと思う、人間なんて)
  「♪ この手で未来を繋ごう……」  (今を生きるだけで精一杯かも、ごめん)   

私ってこんな感じなんで、ホント申し訳ない。7月のライブ、楽しめるものかな・・・・。
(それでもお誘いを断ってない私って・・・)

一方。妙に私の心の琴線を鳴らしてやまないのが、上記のスガシカオの不気味この上ない歌詞である。(泣)

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パット・メセニーが優しすぎた夜 ~ある休日のエピソード~ [音楽的雑談]

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先週の月曜は祭日で会社はお休み。
天気もいいので朝から窓を開け放って部屋の掃除などしていたら、母親からふいに電話があった。

通話ボタンを押してから、あっまずい、今日は 敬老の日 だった。何のプランもないのにうっかり電話を取ってしまった、と舌打ちしながらも 「あ、もしもし・・・」と返事をすると、母がいきなり言う事には、

「あのね。今日、ちょっといきなりなんだけど。私ももうアチラの世界が見え隠れし始めたじゃない?まだ生きているうちに、昔住んでいた場所巡りでもしようかと突然思って。結婚当初から色んなところに住んで来たけどもう何十年も昔のことで、いったい今はあの辺どうなっているのかなって。なんか行ってみたいのよ。ちょっとこれからパパと行ってくるわ」

「は?今からってこと?それってあの、青山とか芝浦とかのこと?結婚当初ってことは。 どうやっていくつもり?」

「そうその辺。電車で行くのよ~そりゃ」

「駅とか分かってんの?」

「分からないけど、人に聞きながら行ってみるわよ」

「住んでいたところの住所とかは?」

「忘れちゃったけど。」

話を聞けば聞くほど「齢80に近い老夫婦2人で辿り着けるわけがない」と確信した私は、その日1日の自分の予定を全てあきらめ、「いいよ・・・私も行くよ・・・」と答えて1時間後に3人で待ち合わせをしたのだった。

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回る走馬灯、Fleetwood MacをBGMに。 [洋楽]

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薄ピンクの美しい桜の花々が一斉に散り出し、花びらと葉っぱが半々ぐらいになった、最も風情のない頃合になると私の誕生日がやってくる。

子供の頃は、クラスの中で1番か2番の早さで皆んなよりお姉さんになれることが誇らしかった。
なのに、いつからだろう。「なんでみんなより先んじて年取っちゃうの~!絶対ソンだ・・・」と思うようになったのは?

そして自分の誕生日が来ると、否が応でも思い出してしまう人がいた。
「あの人も今日で1つ年を取ったのか・・・」
誕生日が同じだったのだから忘れようがない。
それは、23歳の時から1年半くらい付き合っていた人のことだ。

たまたま好きあった男女の誕生日が同じというのは、すごいことではないだろうか。
365分の1の確率だ。私がこれまでの人生で365人以上と付き合ってきたツワモノであったならば、ほぼ確実に "1人" は誕生日が同じになる計算にはなるが、当然ながらそんなことはないので、これはやはり「奇跡の出会い」といって間違いなかったと思う。

私が初めてその人のアパートを訪ねて行った夜に、彼がアルバムを取り出して聴かせてくれたのが、この Fleetwood Mac『Tango in the Night』である。

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佐野元春 『Someday』 ~青春って、蒼くて痛いものだった~ [邦楽]

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先週、大学を卒業してから一度もやったことのなかった、所属していたテニスサークル仲間での同期会が突如として開催された。

1ヶ月前に案内が来た時はかなりビックリしたし少し戸惑ったけれど、久々にあの頃の友人たちに会ってみたい気持ちになり 『出席』 で返事をした。
そのメンバーの中でも、ずっと親しく付き合いが続いているチナツにメールをして
「どうする、チナツは行く?」 と尋ねてみると、即答で 「行かない」 とのことだった。

そうだ、今回の同期会の幹事となっているAちゃんとそのチナツは、大学卒業まで長いことモメていたんだった。そのサークルの1年後輩の男の子O君を巡って三角関係にもつれ、結局Aちゃんに彼を取られた形で終わったような気がする。
四半世紀経った今でも、やっぱり過去の恋敵と一献かたむけて穏やかに談笑する気持ちにはならないんだろうな。

しかしそれを言われると、私だって本当は少し行きたくない理由があったのだ。

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人生は、終わりなき旅なのか ~今さらの Mr.Children ~ [邦楽]

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ボヤボヤしていたら、もう2013年も3分の1を終え、季節は初夏へ向かおうとしている。
(ま、ここ最近意外と肌寒いけど。)

なんだか最近、季節の移り変わりが異常に早い。
まるで新幹線から眺める車窓の風景のように季節がどんどん通り過ぎ、このままではすぐに
シワシワのおばあさんになってしまいそうだ。

杜甫だか李白だかが、ちょっと日中にうたた寝をしている間に、自分が生まれてから死ぬまで
の長い夢を見て、目が覚めた時に人の一生とはもしかしてこのくらい短く儚いものなのかもと
思った、といった詩を書いていたと思う。
(あまりに漠然とした記憶すぎて、ググッて調べることすら出来ない(泣))

なんか、人生の最終地点にたどり着いた時、私もそんな風に感じるんじゃないかと思う。
この長く見える人生の折り返し地点を過ぎた辺りにいる今、そのことを予感している段階で
これからもっと悔いなく濃い人生を送ろうと努力すべきだとは思うが、それにしても季節の移り
変わりは早すぎる。

さて。
私は最近ベースギターの練習に余念がない。(それなりに濃く生きようと頑張ってる模様)

去年、会社にポツポツいる「Char ファン」でいつか一度バンドを組もうよという話が具体的と
なり、私と男性3人との計4人で "にわかチャーバンド" を結成して、社内の小ライブに出演
するに至った。

続きはこちら・・・(Charが今回のテーマなわけじゃない!)


夏の終わりのハーモニー ~永遠の少年 玉置浩二~ [邦楽]

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気付けばタイトルどおり、夏も終わり。

1年以上もブログを放ったらかしにしてしまうと、つまらない記事は逆に書きにくくなってしまい
なお一層自分のブログから遠ざかる形になってしまった。
でも何か書かないと、もはや何も書けなくなりそうなので、一念発起して何か書きます。
(↑文章力まで地に堕ちているような)

8月のお盆休みの頃にフジテレビでまた恒例のFNS歌謡祭をやっていた。
この番組は、一見似たようなものに見える普通の歌番組の特番モノ(HEY HEY HEY とか
ミュージックステーションとか)なんかとは全く規模(予算)が違っていて、ステージセットが何とも
豪華で高品位だし、武部聡志や鳥山雄二など大物ミュージシャンで構成されたバックバンドが
前面に出て、これまたこの上なく贅沢。

そこで普段見られない人気アーティスト同士の競演などが見られる。しかもそれが生放送。
生放送のショー番組って基本的に何でも面白い。紅白歌合戦もしかり、出演者の緊張っぷりが
ハンパなく、その人の「これが最高」と自分で考えているであろう真剣勝負のパフォーマンスが
見られるのはやはり興味深い。

まあ、3曲に1度の割合でAKB48が登場するうっとぉしさについては、視聴率を取らなければなら
ない業界のしがらみとしてあきらめて、トイレ休憩や家事などに充てるとして(寛大だな~)
マイナスポイントも色々あれどとにかく濃密な歌謡祭で、けっこう毎回ちゃんと観ている私だ。

その中で印象的だったのが、安全地帯の玉置浩二とEXILEのATSUSHIがデュエットで歌った
夏の終わりのハーモニー』 だった。
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 (YouTube動画を載せようとしたら、もう削除されてる!悔しい~。なので画像のみ・・・)


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そして世界はひとつ ~Lady Ga Ga の大ヒットに想うこと~ [洋楽]

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数日前のことだ。
いつものように朝8:12の特急電車に飛び込み、比較的スペースが空いている奥の優先席の前に
立って吊り革に捕まりフト眼下を見ると、40才過ぎくらいの知的職種っぽい白人男性が、プレイステ
ーションのゲーム機を片手に持ったまま、口を開けて眠りこけていた。

今にも膝から転げ落ちそうに斜めになっているプレステの画面が私の方に向いていて、スーパー
マリオのような平面的な画面が見えた。(ゲームはよく知らないから判らない)
口も脚も開き切って、ゲームをやっている途中で眠り込んでしまったそのアメリカ人(推定)を
しばらく眺めていて、私は思ったのだった。

「あれ?変だな。ガイジンって公共の場で眠ったりしない人たちじゃなかったっけ?」

そうだ。よくテレビの情報番組で、ニューヨークの街角での取材なんかで
『日本人は電車の中でみんな寝ている。ここではありえないよ。そんな気を抜いて眠っていたら
財布を抜かれちまう。』 とか言って、朝に晩に電車の中で眠り込んでいる日本人を海外の人々は
何かと嘲笑していたはず。おかしいな。

私が育った街は海兵隊(マリーン)のいる米軍基地が近く、近所に将校クラスのアメリカ人家族も
チラホラ住んでいたし、電車の中で米兵のグループに会うようなことは日常茶飯事で、自慢じゃ
ないがこれまで見てきたガイジンのサンプル数は一般の日本人の比ではない。

私のその豊富なガイジン遭遇経験数(←誤解されるって・・・)から考えても、電車の中で眠りこけて
いるガイジンは確かにほとんど見たことが無かった。

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