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阿久悠の歌詞世界 【中編】 ~年末の記念特集番組に寄せて~ [邦楽]

                                                     

阿久悠 編を壮大に前・後編に仕立てたのはいいけども、基本的に何らプロットを考えてないので
(構成など全く決めずに思いつきでどんどん書いていくのが私のやり方)
再び話は行きつ戻りつしそうだが、とにかく阿久悠周りの話には違いない!ということでお許し
願いたい。

昨年12/29放送の阿久悠記念特番の内容について、前回では、石川さゆり森進一
ペドロ&カプリシャスと来て、その後沢田研二をサラリと流して前編が終わってしまったが
(変だ・・・。アイテム的にはこれだけなのに何故、あんなに長文になった??我ながらナゾ)
ぶっちゃけ、これでは完全に片手落ちであった。まだまだ語りたいことの入口にも到っていない。
各論が多すぎる?もっとはしょるべき?・・・まあ、ゴチャゴチャ言うより、とにかく始めるとして。

そういえばあの特番の冒頭は、タイトルカットより先にまず、都はるみの歌からだった。
(しかもアカペラで!)都はるみと言えば、『北の宿から』

 

うわー・・何、この歌詞も阿久悠先生だったのか。で、やっぱりこれが自他共に認める彼の代表作
ってことなのか?だからトップに出てきているわけ?

・・・これ、実はちょっと不満。何故なら、私は、この曲が 大嫌い だからだ・・・・・。

(阿久氏大絶賛の前編から、ここに来ていきなりの敵対ムード!?怒涛の急展開??)

いや、この曲 「だけは」 と言い直す。

私の感性から言って、この曲の歌詞は全然いただけない。
前述の 『津軽海峡・冬景色』 と比べると非常にわかりやすいが
この曲の歌詞には、描かれる映像にほとんど「ひだ」「奥行き」「わび・さび」がないのである。
(言い切ってる。怖)
超多忙な中、やっつけ仕事で1曲作って納めたら思いのほか売れちゃった、といった内情が垣間
見える。 (そんなの勝手に垣間見てるの、おそらく私だけ)

   
   あなた変わりは ないですか 日毎寒さが つのります
   着てはもらえぬ セーターを 寒さこらえて 編んでます


北国の宿屋に1人チェック・インして(宿屋はチェックインとは言わないのか)、低い窓の桟に
肩肘を掛けて、外の雪景色を見ながら手紙をしたためているような情景の独り語り。
まあ、1行目は、それっぽいから許す。問題は2行目からだ。

セーターを編む という行為、それ自体にものすごい湿っぽい怨念じみたものがあるところ
"着てはもらえぬ" だ。着てくれないとわかりつつセーターを編んでいる。ここで湿っぽさ2倍。
それを "寒さこらえて" 編んでいる。とどまることなく、一気に3倍。
旅館なんだから、寒けりゃ仲居さんを呼んで暖房入れてもらいなさいって。
も~湿っぽすぎる。とことん湿っぽいだけで、のっけから何の味わいもない。
しかも!1行目で「寒さが」と言っているのに、2行目で再び「寒さこらえて」と、同じ単語を2度使い。
これは絶対的にマイナスである。私みたいなトーシローだって、2行にわたって似たような表現を
したい時は、出来るだけ違う言葉を持ってくる。だって例えば

  「彼はさりげなく振り向いた。すると、彼女はそれに気付き、さりげなく微笑んだ。」

ほらね、表現としてつまらないじゃん。低レベル文章。
まあ、それも何とかガマンするとしてだ。
全3番すべてのサビに使われる、このあとの歌詞なのだが

   
   女心の 未練でしょう あなた恋しい 北の宿


かなり納得が行かないのは、この「女心の未練でしょう」という言い回し。

だって、未練の枕詞に「心の」って、普通つかないだろ?
未練を感じるのは心に決まっている。
例えば、「人けのない放課後の教室で」 を 「人けのない放課後の学校の中の教室で」 とか
わざわざ言う必要がないのに似ている。
"教室" といったら "学校" だし、"未練" といったら "心" なのよっ。

だいたい「未練」という言葉だけでももうお釣りが来るほどにジトジトなのに、もっと辛気(しんき)臭い
「女心の」を添えている。女が自分で「女心」とか言っちゃってどうするのよねぇ。
そして、しまいにゃ!「あなた恋しい」とまで叫ぶ。
嵐の日の葬式会場に車が突っ込んできた、というくらいに悲しみのてんこもりですよ。
ここまで来ると侘びもさびもありはしない。こりゃ、放っておいたらこの女は手首でも切りかねない。

やはり、悲しみというのは、「薄く笑った横顔に はらりと涙が・・・」みたいな、身の内にとどめて
グッと抑えてこそのものであり、寂寥感は、あくまで 「そこはかとなく」 漂わなければならない。
そこが涙を誘うポイントなのであって。

坂本九の、あの有名な 『上を向いて歩こう』 の中盤 

      ♪幸せは雲の上に 幸せは空の上に  

の辺りなど、メロディーも歌詞も一見明るいのに、でも何故か妙に哀しさが押し寄せるでしょ。
悲しみとは、元来こういう奥深いものでなければいけない。
(森進一くらいに自分から崩れ落ちるように号泣してダイレクトに訴えてくる世界はまた別の
意味で価値もあるのだが)

などとケチをつけつつ、3番まで歌詞を読み進むと
なんと、3番では 「♪貴方死んでもいいですか」 ときた。マジかっ。
言うか・・・・そこまで・・・・・ん。・・・待てよ?

はは~ん、これは確信犯か!

人には、言わなくてもわかるヤツと、言わなきゃわからないヤツといる。
言わなくてもわかるヤツは、「幸せは雲の上に♪」でも涙ぐんでくれるが、言わないとわからない
ヤツは、いかにも悲しげなマイナーメロに乗せて北の宿に引っ張っていって、寒い中、凍える手で
セーターを編ませるまでしないと涙は出てこない。

そうか。 この曲は「悲しみにわかりやすく導いてやらないと泣けない人用」なのだ、たぶん。
世の中には、複雑なものを解さず、陳腐でわかりやすい悲しみしか心に響かないといった層も
多大に居るわけで、この曲はそういう層から絶対的な支持を得たのだ。きっと。いや絶対。

阿久悠は全て計算づくなのだ。大衆というものを完璧にリサーチ出来ている。
おコドモ達には 『UFO』 や 『サウスポー』 を、下町のおばちゃん達には 『北の宿から』 を
あてがって安直に喜ばせたというわけだ。
そうかーそうだったのかー。やっぱし阿久悠はスゴいのだな。うん、スゴイスゴイ。

(良かったよ、最後は収まるべきところで結論が出て・・・一時はどうなることかと)

さて冒頭の都はるみですでに文章が超ロングになってしまい、こんなことでは永遠に終結を見そう
にないので、いきなり俯瞰的考察になるが・・・
演歌はまあ当然としても、あの頃の歌手は皆、歌が上手い!
これは今回改めて、いたく感動したことであった。

日テレ『スター誕生!』 はパッと見、「歌なんか楽しく歌えばそれでいいんでないかい。なぁ?」
といったヘラヘラムードを醸し出す欽ちゃんと、どこまでも大真面目に厳格に次代のスターを発掘
しようとする審査員の先生方のテンションの違いなどで、何か危なっかしさのつきまとう (そこが
面白い)番組だったが、やっぱり阿久悠を始めとするあの諸先生方は偉大だったのだ。

スタ誕出身者は、皆んな抜群に歌が上手かった。その時はあまり気付かなかったが、彼らは
決して 「たまたま幸運を手にしたラッキーガール・ラッキーボーイ」達ではなく、歌手になるべくして
なった、と言う必然を感じる天性の歌唱力を持った選ばれし人間たちだったのだ。
業界では、浜崎あゆみなどを「歌姫」とか誉めそやしたりするが(まあ、あれだけCD売って貢献
してりゃ誉めそやすしかないけど)彼女は、高音域が歌えてナンボの小室哲哉ワールド全盛期に
それっぽい流れでデビューし、その後専属ヴォイス・トレーナーに喉を広げてもらって、取り合え
ずは、どこに一人立たされて歌っても恥はかかない程度のビブラートは発声できるようになった・・
くらいの歌唱力に過ぎないのであり、あれを「歌姫」と呼んでしまうのならば、当時の岩崎宏美や
伊藤咲子はどうなるんだと言いたい。歌唱力のレベルが違う。
(まあでも、ある絶大なるオーラもまとっていなければ"歌姫"とは呼べないだろうから、その辺は
何とも・・・ではあるな)

彼女らの声は改めて聴いてもつくづく素晴らしい。透明で伸びやかでツヤがあり、浜崎あゆみなど
に感じられる "後付けの技能" のようなものを全く感じない。生まれながらにして歌用の特殊な
喉を保有している、ありのままの歌の上手さなのだ。
ピンクレディーなども、あの露出度合いや振りの激しさで一見歌はおざなりに聞こえがちだが
実は2人とも確実に歌は上手い。アイドル扱いだった花の中三トリオ(淳子・百恵・昌子)たちも
当然ながら歌はうまかった。(桜田淳子はあの独特な鼻にかかった声で何となく低く評価され
がちだが、歌の中に入り込み芝居がかってすらあったあの歌唱は、やはり深い歌心と表現力
あってのものだったろうし)
とにかく、スタ誕から「なんでコイツが」みたいな歌手は1人として出ていない。
これは間違いなく阿久悠をはじめとする審査員たちの、妥協のない真剣勝負の取り組みによる
もので、真に人の心を動かす、実力と可能性を持った未来のスターを世に送り出し、この業界
ひいては日本の芸能文化を発展させていこうとする、ほとばしる情熱の賜物だったと思う。

さて歌が上手いといえば、これはスタ誕とは関係ないが、大橋純子はやっぱりスゴかった。

 

今回の特番では、あの名曲 『たそがれマイラブ』『夏女ソニア』 を歌ったが、どちらも本当に
素晴らしかった。彼女のようなポジションの、息の長い実力歌手は意外に少ないように思うが
彼女は今も自分のバンドを従えて精力的に活動しているようで、非常に頼もしくも感じられた。

この『たそがれマイラブ』という曲は、歌詞よりも、そのドラマティックかつメランコリックな美しい
メロディのほうが勝っていて前面に出ているタイプの曲と思うが、そういう中にあって、歌詞の
在り方がまさに絶妙であるのを今回改めて感じた。

内容としては、当初うまく行っていた男女がやがて、
 

   夕立が白い稲妻つれて 
   悲しみ色の日暮れにしていった

と、季節の情景になぞらえつつ不穏な空気を匂わせる。そして

   しびれた指 すべり落ちた
   珈琲カップ 砕け散って

男から、別れを切り出されたと思われる瞬間の、女の手元の描写。
メロディは相当ドラマティックなのだが、歌詞はそれを邪魔せずに、かつ格調高いものにする
さりげない状況表現にとどまっている。
それでいて、二人の状態が微細に感じ取れる。映像的に即座に想像がつくほどに。
また、この歌詞の優れたところは、上記の情景描写が、2番の同じところでも

   凍える手で広げて読む
   手紙の文字が赤く燃えて

と、再び同じく手元に視点が行っていることだ。
非常に映像的であり、かつ情緒的である。
結局二人の成り行きは少ない歌詞からはわかるようでわからないわけだが、それでもちゃんと
2人を包む切なくも重苦しい空気は十二分に伝わってきて、それ以上の説明が必要だとは感じな
いのである。そして何よりも大橋純子の歌声が無言の説得力を与える破格の素晴らしさだ。
「いいよなぁ、歌って・・・。」 などと音楽の感動の原点に思わず立ち返ってしまうような1曲だ。

大橋純子という歌手は、いわゆるニューミュージックに入るのか、それともやっぱり歌謡曲なのか
棲み分けがビミョーな位置にある感じがあるが、彼女の最大のヒットであるこの曲の歌詞を追うに
  運命(さだめ)・・・  引き裂かれそうな愛・・・
ニューミュージックに、運命 を「さだめ」と読むような情念の世界は存在しない。
「愛」なんていう大げさなビッグワードを臆面もなく口にもしない。
こういう言葉を歌詞に充てて歌い上げているあたり、やはりニューミュージックの淵に爪先は
掛かっているものの、これは歌謡曲なんだろうなと思う。

さて、あと当時コーセー化粧品のCMとタイアップだった『夏女ソニア』、これも本当に何十年
ぶりかで聴いたがカッコ良かったなぁ~。
これは、知らない人も多そうだが、"ソニア"という名でブランド展開した化粧品のCMのためだけに
大橋純子ともんたよしのりのデュオで歌われたもので、CMで使われた部分のサビが特別カッコ
イイ曲であるが、改めてフルで聴くと意外にもAメロから手を抜いてない、とてもイイ曲だった。
歌謡曲はこうじゃなきゃいかん、というインパクトのあるメロディとシンプルな歌詞。
この演奏のあとに、楽屋に戻る二人が「また一緒になんかやろうや!」「ねぇ~っ」なんて話して
いる模様も映り、長いこと、この浮き沈みの激しい世界で頑張って来た同志の素の触れ合い、
なかなかイイよなぁ~なんて思った。

さて、再び話は戻るが、当時歌が上手いと言えば、やはり岩崎宏美だ。今も、人の曲のカバー集
など定期的に色んなアルバムを出しているが、相変わらず本当につややかな声だ。
ついでに言うと、妹の岩崎良美も抜群に上手い。私の見たところ、妹のほうが実は実力は上では
ないかと考えられる。
こういう点を鑑みても、やはり歌の上手さは天性(DNA)のもので、後付けで仕込むものではない
ことが伺われる。(もちろん地道なトレーニングはいかなるレベルの人にも必要だが)
お姉ちゃんが上手いと妹も上手いわけだ。歌に適した同じ形状の喉が同じように装填されている
んだろうな。

デビューから数年の岩崎宏美は私は本当に大好きで、当時特に胸を打たれたのが 『思秋期』

 

この美しい歌詞もやはり阿久悠であった。だよな~。いいもん。

  
   足音もなく行き過ぎた
   季節をひとり見送って
   はらはら涙あふれる
   私十八

   無口だけどあたたかい
   心を持ったあの人の
   別れの言葉抱きしめ
   やがて十九に

   心揺れる秋になって
   涙脆い私

   青春は壊れ物 愛しても傷つき
   青春は忘れ物 過ぎてから気がつく

当時18歳の岩崎宏美は、この曲を与えられて、レコーディングの際にどうしても泣き崩れてしまい
最後まで歌えず、何十回と録り直しをした、と数年前朝日新聞で連載されていた阿久悠のコラム
で彼が書いていた。 (あーこのコラム、残しておけばよかった。すごく面白かったのだ)

そして、先日の特番でも現在の岩崎が出てきて
「私のあとをつけて毎日見ているのか?と思うくらい、当時の自分の気持ちに添った歌詞を
先生が出してくるのでいつも驚いていた」とコメントしていた。
ホントだぁ~、って感じ。こういう点と点が線になるエピソードは何か嬉しい。

それにしても、秋が来たくらいではらはら涙をこぼす18歳・・・いいよねぇ。
(今時そんな18歳居なそうだけどな・・) 
で、19歳くらいになると、確かにたいてい1度は別れも経験するんだよね。うんうん。
青春は壊れ物・・・のサビのくだりも素晴らしいですよね。本当にそうだもんなあ。
これぞ青春の真理。森田公一も似たようなことを歌ってメガヒットを飛ばしていたけど、くたびれた
オジさんが通り過ぎた青春について語るより、青春真っ只中の少女が細く美しい声で訴えるほうが
やっぱり美しかったりする。

で、また半泣きのような表情で歌う岩崎が可愛いわけですよ。おかっぱでねぇ。
歌詞の内容に自分の思いが重なり、つい泣けてしまうっていう当時の彼女の、若さゆえの青さ、
デリケートさがまた何ともいじらしいわけだな。

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すいません・・・・。全然終わりません。(^-^;

これ、急きょ 後編 じゃなくて 【中編】 とさせていただきます。
(やっぱり私、歌謡曲好きなのかなあ?違うんだよぉ~ 洋楽派なんだってば~・・・)


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parlophone

milkちゃん、こんばんは。
純粋なnice!です(笑。
ぼくもこんな時間にコメント書いてないで寝なくちゃ…。

「北の宿から」、もうおっしゃるとおりです。
深みも侘びもさびもござんせん。
それともうひとつ、この詞は完璧な七五調です。
「あなたかわりは・ないですか
ひごとさむさが・つのります」
ね?完全な確信犯です^^

ただしターゲットは下町のおばちゃんではなく、酔いどれ中間管理職かも?
根拠は…ありませんが(笑。

さて、「思秋期」のところを読んでてふと気になったので、例の『愛すべき名歌たち』を広げてみると…
「本書は、朝日新聞に連載された『愛すべき名歌たち』をまとめたものです」!
milkちゃんが書いてた岩崎宏美のエピソードももちろん載ってます。
うひひ…これで買わずにはいられなくなったでしょ?
ちなみに岩波新書625です。

ところでそれを読むと、「北の宿から」については、当初「女心の未練でしょうか」と歌う人が多かったが、「か」はないのである。「か」抜きとタイトルの「から」にこだわった、みたいなことを書いています。
う~ん、さすがだ!
by parlophone (2006-01-13 02:17) 

milk_tea

parloさん、純粋なNice!(!)ありがとうございます! 
そうでなくっちゃね~。(何が?笑)

>それともうひとつ、この詞は完璧な七五調です。
>「あなたかわりは・ないですか ひごとさむさが・つのります」

あーほんとだー。
結局こういうのは、聴いてる側も 「収まりがいい」 わけですね。
(何だか収まらないの、きっと私だけ)

>ただしターゲットは下町のおばちゃんではなく、酔いどれ中間管理職かも?

男も単純な生き物だからぁ~
「貴方変わりはないですか・・・」と遠い北の宿からハガキもらっちゃったり
すると「おーっそのセーター着る着る。だから戻ってこい!!」みたいな
気持ちになっちゃうんでしょうか?そういう夢想がこの歌を流行らせた?

>本書は、朝日新聞に連載された『愛すべき名歌たち』をまとめたものです

なぬぉーーっ。そうだったんですか!!
あれは面白かった!でも全部読めてなかったんです。半分くらいしか
追えなかった記憶。
そりゃ買うっきゃないですね。Amazonブックストアに速攻アクセスだー。
(あ、やっぱり後編書いたあとにします。事実と対峙すると何も書けなくなっ
ちゃいますから・・・。"でっちあげ" が私の本分)

>「北の宿から」については、当初「女心の未練でしょうか」と歌う人が
>多かったが、「か」はないのである。「か」抜きとタイトルの「から」に
>こだわった、みたいなことを書いています。

へーー。さすが言葉の錬金術師は違うなぁ。でもニュアンスわかりますね。
それにしても、ふと思ったのですが、この歌を森進一が歌っていたら
「セーター最高!」とかいって、私も一緒に号泣していたかもしれない。(笑)
歌は、メロディと歌詞とそして歌手の技量と表現力が渾然一体となって
創り出されるものであります。
(会議資料作りながらのコメントレス。おまえの頭が渾然一体じゃ!)
by milk_tea (2006-01-13 09:53) 

V.J.

灼熱のビーチ!
外人のねーちゃんの横たわるショットを意味無く添えたジャケ!
殴り書きのタイトル!
夏だ!
海だ!
ねーちゃんだ♪
の、勢いのあるジャケでスタート!!
で、本文が真冬の宿から始まるとは…

…あまりの展開の妙に眩暈がしているV.J.です。
阿久氏のシュールな歌詞でもここまでの展開は無いのでは?

で、「北の宿から」ですが…
(コメの前振りすら長くなりつつある今日この頃)

なんか僕とは解釈違いますねぇ~
中間管理職のオヤジだから?(笑)
これって、男に振られて、北に旅して、手紙したためて、わざわざご丁寧に、手芸屋(ユザワヤでも可)に立ち寄って、毛糸と編み棒を買って旅に出た女の歌ですよね♪
そんな主人公は、もう圧倒的にどうにもこうにも「自己陶酔」型ここに極まれり!ってヒト(女とかいて、ヒトと読ませたいとこです)に違いないと思います。

思い出して下さい。
酔ってる自分。
熱い気持ちのまま、夜書いたラブレターを次の日の朝、眼の片隅に見つけて嫌な気分になった遠い日を(爆)
支離滅裂。
不条理そのもの。
寒さが募り、寒さをこらえるなんてまだノーマル♪
死んでもいいですか?
なーんて同情買わせようとする「あたし」
つくづくオンナだわぁ~
これも酔ってるな。うん。

>こりゃ、放っておいたらこの女は手首でも切りかねない。
多分切らないと思いますぜ。
次の日の朝、あの熱い熱い自己陶酔から醒めてみると、北の宿(きっと安普請)のすきま風のおかげで、すっかり風邪引いて、仲居を呼んで、部屋あったかくして卵酒飲んでますぜ。ヤツは(笑)

>薄く笑った横顔に はらりと涙が・・・
第三者の眼による描写ではなく、あくまでも、モノローグ。
それも振られて、毛糸買い込んで、北へ旅する女の♪
やっぱ、この詩ぢゃなきゃ、いけませんぜ♪

姐ェのコラム読むまでは、そんな事一度も考えた事無かったけど、この北の宿からってのは、失恋したメルヘンチックな自己陶酔乙女の成れの果てが、その勢いのままに書き綴った「出さない手紙」って感じがヒシヒシと伝わります。
うーん、アッ君上手いなぁ~。ってかんぢ?
出さないラブレター書いた事あるヤツは、「うげー恥ずかしいけど、その盛り上がり方分かるなぁ」などと感じるはずです。

ちなみに北の宿からと北の国からは関係あり?
北の国からも、そういえば、ナレーションが純のモノローグだったりするので、まぁ、根っこは一緒かもなぁ~

などと、ペドロとカプリ並みに話しを横道にそらせようとするネタを振ってみたりして(爆)

コメが長すぎて、大橋順子も歌が上手い話もコメ付けれませんでした…
その辺は、自分トコの記事のコメで書いた記憶があるので、そんな感じです(何がだ?)
by V.J. (2006-01-14 02:52) 

milk_tea

>(コメの前振りすら長くなりつつある今日この頃)

夏だ!海だ!ねーちゃんだ!で1行ずつ使うからですーっ!

>なんか僕とは解釈違いますねぇ~

いや、違わない違わない。歌詞をこねくり回して考えてみている時点で
大同小異です。(要はどうでもいいんです、解釈なんて)

>男に振られて、北に旅して、手紙したためて、わざわざご丁寧に、
>手芸屋(ユザワヤでも可)に立ち寄って、毛糸と編み棒を買って旅に
>出た女の歌ですよね♪

そうそう、実際上げる予定はないから、ユザワヤ特売の安い毛糸だったで
しょうね。しかも夜にちょっと編むだけだから、多くて2束かな、持って行った
のは・・・。(ユザワヤって全国展開でしょうかね?蒲田のしか知らないが)

>仲居を呼んで、部屋あったかくして卵酒飲んでますぜ。ヤツは(笑)

あーなるほどねー。仲居さんに「お客さん、昨晩窓開けっ放して外に向かって
なんか叫んでおらんかったですか?毛糸玉が裏庭にたくさん転がってたのも
お客さんでがんすか?」とか聞かれながらね。
それ言われて、「えっ・・・あっ・・・・んがぐぐ」とか赤面しながら。

>やっぱ、この詩ぢゃなきゃ、いけませんぜ♪

上でも書いたけど、あとで考えると都はるみが歌っていることが個人的に
何か許せなさを呼んでいたようです。自己陶酔する顔かっ!という感じが
するのでしょうか?とはいえ、これを藤あや子が歌うというのも変かもしれ
ません。彼女だとおそらくフることはあっても、フラれないでしょうから・・・・。

>出さないラブレター書いた事あるヤツは、「うげー恥ずかしいけど、その
>盛り上がり方分かるなぁ」などと感じるはずです。

まあそうなんだけど。独白なわけだから安直なのは当然ということだけど
でもやっぱり安直なのはイヤなんですよね、私は。
そういえば私は出さない手紙を書いたことはないかもしれません。どちらかと
いうと「返事は絶対書かないでくれ」と書き添えて思いのたけを長々書いて
送り、自分だけスッキリしようとするほうです。
(でも本当に返事が来ないとすごいモヤモヤが広がってかえって後悔する。
あ、こういうことを前にユーミンの項で書きました。ご参考)
by milk_tea (2006-01-14 16:19) 

V.J.

姐ェ
今日のテレ東のアド街見ました?
戸越銀座♪
CharやらRIZEやらでまくってましたよ!
あ、僕も、姐ェ激オシの野音のLiveの記事書かなきゃ…
もう何回か聴き込まないといけません。

1ミクロンも関係無い(無くないですよね?)の話題ですみませんでした。

確かに、都はるみに歌われてもねぇ~ダメですかね。
自分に酔う元メルヘンチック乙女の演歌歌手ってのは誰がしっくりくるかなぁ~
藤あや子ならば、極寒の地まで男が追いかけて行きそうですしね。

>独白なわけだから安直なのは当然ということだけど
うーん。ごめんなさい。独白=安直っていうよりも、自己陶酔=深みや意味などを考えられない「熱」の中。って感じ?
ぐちゃぐちゃ歌詞をいぢりまわしすぎですね。確かに(笑)
ちなみに、そんな好きな歌でもなんでもないです。僕も(爆)

ユーミンに大貫妙子ですよね…
きちんと体調を整えて臨まなくては!
ちょいと大雨の中出掛けていたらかなり疲れたじじぃです(苦笑)
by V.J. (2006-01-14 23:21) 

milk_tea

新聞のテレビ欄のアド街のとこに 【戸越銀座・ロック歌手が普段着で歩く町】
とか書いてあるのを19時くらいに発見して、「これ・・・もしやCharのことか?
でも、今のCharを "ロック歌手"って表現するかなぁ?ロックギタリストなら
Charだろうけどなあ?」 とか独りでブツブツ考えている間に・・・・
見忘れちまいましたよ!!(泣)
どんな感じで出ていたのぉ~(大泣)
関係ないけど、「アゴヒゲ」は個人的にやめてもらいたいと思ってます。

>ぐちゃぐちゃ歌詞をいぢりまわしすぎですね。確かに(笑)
>ちなみに、そんな好きな歌でもなんでもないです。僕も(爆)

うん、私も「いや!そうじゃなくあの曲は・・・」など前のめりに語るほど、
そんな関心ないんですよね (じゃあ、最初から長々考察すなー!)

>ユーミンに大貫妙子ですよね…

えっと、ユーミン編の辺りもムダに多いので、大変だと思うので・・・
前述の項は 8/27です。いや、別に見たからどうというほどのことは書いて
おりませんよ。(ビニ坊はその辺はあまり聴かないんじゃ?)
by milk_tea (2006-01-14 23:54) 

縦

まだ終わらないんですね(笑)
大橋純子というと、自分の中では庄野真代とかと混ざってしまいますが
当時は落ち着いたオトナ(でもオトナすぎない)の歌謡曲が色々ありましたね。
今はだいたいがJ-POPとかいって若者対象です。
まあイイ時代でした。(そればっかりだ)
北の宿からはあのストレートな女心がいいのでしょう。
でも自分もやはり嫌いです、安心してください(笑
by 縦 (2006-01-15 11:38) 

路傍の石

はじめまして。こちらはこれまでも何度か拝見させていただきました。なんかよく知っている方々がコメントしてますねぇ(笑)。ということで当方の記事をTBさせていただきました。
阿久悠の歌詞はナルシストの世界だと思います。楽しくて浮かれてる奴、塞ぎこんで今にも死にそうな野郎とか、その心の内面をベタに歌い込むことでそんな自分に酔う。だから阿久悠の歌に出てくる主人公はみなとてもわかりやすいです。聴いているこちらもそのことがストレートに伝わってきて感情移入がしやすいという、阿久悠の狙いはそこにあったのかなと思います。
by 路傍の石 (2006-01-15 15:54) 

milk_tea

縦割さんMAIDOです~
庄野真代!「飛んでイスタンブール」ですね。確かに大橋純子とカブる何か
があります・・・。
あの頃はオトナの女の歌謡曲、確かに色々ありました。
何を隠そう、私は初めて買ったEPレコードは丸山圭子の「どうぞこのまま」
なのです。従姉のお姉ちゃんが何か買ってあげるよというので、すかさず
それを頼みました。何か、けだるくJazzyな世界が子供心にも憧れたのです。
そのお姉ちゃんの部屋には太田裕美の「雨だれ」とか小坂明子の「あなた」
とか素敵なシングルレコードがゴマンとありました。(なぜかLPは無かった)
雨だれはいい曲だったな・・・。まだ2年生くらいだったと思いますが、妙に
胸を打たれたものです。
あ、北の宿から、お嫌いですか?良かった~(笑)
何か、改めて見ると今回の阿久悠番組について書いたサイトがゴマンとある
ようで、ザッと見ただけでもどこでも「北の宿から」は絶賛ムードでした。
そうなのか。ややや、やばい。
by milk_tea (2006-01-15 16:20) 

milk_tea

路傍の石さん初めまして。私も、よく見るいくつかのブログ内でお名前だけは
ちょくちょく拝見してました・・・。
しかも、ちょうど今日初めて路傍さんのブログ(阿久悠の)を読んだところで
した。素人離れした深い考察で・・・よくわかってない私みたいなのがあれこれ
語ったりしてるのが本当、恥ずかしいです。( ..)ヾ
路傍さんなどから見たら、的外れな指摘ばかりかもしれませんね~。
(でもまっ・・・私見ですからね。)

でも、阿久悠以外のコラムでも、よーーくわかるところが色々ありました。
私も何を隠そう古い歌謡曲とかは自分の実年齢以上に詳しいんで・・・・
ちょうど、このコメントのちょっと上に太田裕美のこととか書きましたが、路傍
さんの過去ページにも太田裕美について書いてありましたね。
グランドピアノの前で淋しげに"雨だれ"を歌う彼女の透明感のある愛らしさは
小学低学年の私の目にも新鮮でした。

>楽しくて浮かれてる奴、塞ぎこんで今にも死にそうな野郎とか、その心の
>内面をベタに歌い込むことでそんな自分に酔う。

なるほど、そういうことなのですね・・・。
でも何だか、今回阿久悠について書けば書くほど、彼のキャパシティが果て
しなく広いことに気付くばかりで私なんぞがあれこれ言って結論がつくような
小っちぇぇ枠になど収まっていない、ということがよくわかりもしました。
(でも後編は書きますけども。笑)
また拝見させていただきます。こちらのほうも何卒宜しくお願いします。
ところで、「路傍の石」以外も、山本有三作品は私ほとんど全部読んで
ますよ。あの辺の日本文学一番好きなんですよね・・・。
by milk_tea (2006-01-15 22:23) 

路傍の石

milk_teaさん、丁寧なレスありがとうございます。こちらのブログは、V.J.さんもおっしゃっていたように、バトルレビュー60分1本勝負みたいで面白いです。

> 路傍さんなどから見たら、的外れな指摘ばかりかもしれませんね~。
> (でもまっ・・・私見ですからね。)

そうそう、私見だから徹底的にゴーマンかましてもOKなんです。こちらのブログはそれが活きてるから、見てる人は見てるんじゃないでしょうか?
阿久悠の奥の深さは、セオリーに沿った作詞の技法を持ちながら、微妙なところで常識を外してみせるそのサジ加減かな思っています。だから正面から論評することが難しい。ありきたりの批評では箸にも棒にも引っかからない結果になったりで、今回の自分の記事も半分はそんな程度でお恥ずかしい限りです。

> ところで、「路傍の石」以外も、
> 山本有三作品は私ほとんど全部読んで
> ますよ。あの辺の日本文学一番好きなんですよね・・・。

おおっ!もしかしたらかつては文学少女でいらしたんでしょうか。実は拙は文学青年崩れです(笑)。拙が書いた小説が隠しコンテンツにあったりするので、今度お暇なときにでも探してみてください。
by 路傍の石 (2006-01-15 23:03) 

V.J.

おぉ、つひに路傍先生まで登場している!
ブロディー ハンセンの最強タッグ結成か!
僕はジョー樋口でお願いします(笑)

プロレスネタ…それも古い。
すみません。ヘタレなボケで(涙)
修行して来ます。。。
by V.J. (2006-01-16 02:29) 

milk_tea

>おぉ、つひに路傍先生まで登場している!

路傍さんはやはり、先生クラスなのですね・・・。確かにブログの造詣の深さは
ハンパじゃなかったような。
最強コミュニティの末端に私も食い込むべく日々精進したいと存じます。
路傍さんは小説なんか書かれるんですか!?スゴー。
(スゴイけど、呼称はロボタンでいいですね・・・)
by milk_tea (2006-01-16 15:13) 

satomi

またまたおじゃまします。
あはは!と笑ってしまいました。実は昨日、こちらの記事はきちんと
読んでなかったので。
で、何を笑ったかというと大橋純子・岩崎宏美・スタ誕・浜崎あゆみ、昔の歌手・・・に対する思いが、まーったく私と同じなんです。
私の言いたいことを全部言ってもらってるみたい、しかも痛快な文章で。
なんだかスッキリしましたよ(笑)
&milkさんの「セルフつっこみ」、これはもう名人芸の域に達しているのでは!?(^_-)
by satomi (2006-01-31 12:58) 

milk_tea

satomi 先輩、ありがとうございまーすっっ
(年上とみるや、"先輩"とか呼んで自分の若干の若さを誇示する、女って
本当にいやな生き物です・・・笑)
先輩のも早急に読ませていただきますからね!

私、このころの歌謡界大好きなんですよね・・・・・。
毎週のスタ誕は欠かしたことがありません。
数年前、黒木真由美を近所のイトーヨーカドーで見かけた時は、本気で
嬉しかったです。当然私以外誰も気付いてませんでした。

>私の言いたいことを全部言ってもらってるみたい、しかも痛快な文章で。

本当ですかぁ!そういうの嬉しいですね・・・本当に。
お時間の許す限り他のところも見てみて、プロのライターさんの視点で
またご意見下さい。
うぅ勤務時間につい返事を書いてしまいました・・・
(タスクトレーに落としておくのがいけない・・・)
by milk_tea (2006-01-31 13:33) 

Cherry Creek

はじめまして。つい最近、伊藤咲子さんの記事を書いたものでTBさせて下さい。そうですね、たしかに咲子さんや宏美さんは歌がとても上手かったですよね。浜崎さんが歌姫...時代が違うから尺度も違うのかもしれません。
by Cherry Creek (2006-05-14 12:31) 

milk_tea

Cherry Creek さんTBとコメントありがとうございました。
そちらのブログも拝見してみました。ビックリ~。コアだ~。
人気ブログなんですね。
全部は見ていませんが、でもザッと見渡してみて、意外にほとんど全部
知ってた自分にも驚きました^^; 切り口は違うし、こちらはだいぶ浅いですが
たまに歌謡曲のことも書いてますので今後とも宜しくお願いします。
by milk_tea (2006-05-16 09:46) 

ギムリン

はじめまして、cherryさんのブログで岩崎宏美さんのページに書き込みしまくっているギムリンと申します。
こんな時間に告知しても間に合わないと思いますが、今日6/17朝8時から9時まで、NHKのFMラジオ「ミュージック・アベニュー」に阿久悠さんと岩崎宏美さんが出演します。もちろん思秋期も掛かります。プログラムの内容は
cgi4.nhk.or.jp/hensei/program/p.cgi?area=202&date=2007-06-17&ch=07&eid=762
再放送が木曜6/21の10時からもあるみたいです。
なお、宏美さんのコメントによりますと、もともとのアレンジは違うバージョンだったそうです。オリジナルのアレンジは、下記の試聴のボーナストラックから少し聞けます。
www.neowing.co.jp/detailview.html?KEY=VICL-62282
では、失礼しました。
by ギムリン (2007-06-17 07:40) 

milk_tea

あ!気付くのが遅れて申し訳ありません。ギムリンさん初めまして。
相当な岩崎宏美ファンのようですね!?
17日の放送はもう終わってしまったので、21日なら聴けるか・・・。
でも10時って午前中ですか!?キビシ~(指定のサイトは何故か開かず)
「思秋期」本当いいですよね~。カラオケで歌ってみたい1曲です。メンバーを
選びますがね~

ここのトラバにもある帝都熱烈音盤解放戦線っていうブログも、歌謡曲について
相当深く濃く書かれてるので(岩崎宏美はどうだったかな)一度ご覧になって
みるといいかもです!
by milk_tea (2007-06-19 11:49) 

ギムリン

あ、すいません、番組名間違えてました。再放送今日の朝10時です。
「ミュージック・メモリー」でした。NHKのHPから番組表>FMで調べれば、同じ内容にたどりつけると思います。
阿久悠先生がなぜ乙女チックな詩を書くことができたのか・・・
秘密を語っていたりして。
by ギムリン (2007-06-21 08:06) 

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