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災害にふさわしい音楽なんて [音楽的雑談]

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いつもの1週間がつつがなく終わろうとしていた金曜日の平和な午後を切り裂くように、いきなり
起こった 東日本大震災 から、早くも2週間が経つ。皆さんご無事でしたか。

震災の直後から、テレビはしばらくの間、民放局もCMを入れずに24時間ノンストップでニュース
番組を流し続けていた。
その後、AC(以前の公共広告機構)の人間教育的なCMがイヤというほど挿入されるように
なったが、どの局でもつい数日前まで、通常の番組を一切排除してのニュース特番はなおも
続いた。

その間、当たり前といえば当たり前だが、「BGM」というものを一切聴かなかった。

しかし考えてみれば、ふだん朝の情報番組や昼のワイドショーなどで誰か有名人の訃報を
伝える時などは必ず、 「絶望的過ぎない程度に哀感を帯びた」 柔らかなピアノソロか何かの
BGMが悲しみと温かさの中間の絶妙なムードを保って静かに流れるのが常である。

今回つくづく感じたのは、こんどの大震災くらい悲惨な状況を伝える映像にピッタリ来る
BGMなど、一切存在しないのだなと言う事であった。
メディア全体が少し落ち着きを取り戻し、ほぼ通常時のムードに戻りつつある情報番組内の
ある1コーナーとして被災地や避難所での人々の様子を伝える映像が流れるような時でも
そこにBGMが当てられるケースはまだほとんどない。

音楽は、普段は人間の喜怒哀楽のみならず、その狭間にある微細な感情に寄り添い、メロディ
や音色やハーモニーによって、それを優しく強く表現することの出来る、万能で上質なものと
位置づけられていると思うし、そうであって欲しいと私も願っているが、実際ここまで絶望的な
災害などが起きると、これに太刀打ち出来るメロディも歌も、ひとつとて有りはしないと言うことを
思い知らされてしまう。

それを示すように、いまだ被災者の方々が気の毒すぎるその状況から脱却しきれていない段階で
被災地に歌手やバンドが出掛けていって、曲を演奏して被災者を慰めようといった動きはおそらく
まだ見られない。受け側にそんな余裕はまだまだ、なさそうだからである。

しかし、ある程度がれきが片付き、遺体の収容が落ち着き、家に帰れる人は帰って、避難所の
人たちの腹もくちて少しの希望の光が見え始めた頃に、アーティストたちはきっと続々と避難所
を訪れ出し、ミニライブのようなものが毎日のように開かれて被災者たちを元気付け、心を慰める
ことになるだろう。

しかしよく考えると、それって逆に、音楽が予想外に無力であることを如実に表しているのかも
しれない。

"そろそろ行っても差し支えなさそうな感じ" で言えば 「お笑い」の人たちが被災地を慰問
できる頃合と、さほどズレていない気がする。
いや、もしかすると中途半端なJ-POPグループが「僕らこう見えても心はキレイなんです」と
言わんばかりに陳腐な応援ソングやバラードなんかを酔いしれながら歌い上げたりするくらい
なら、毒蝮三太夫あたりに慰問してもらって 「おいババア、疲れた顔してねぇで元気出せ」
くらい言ってもらうほうが、心はよっぽど安らぐかもしれない。
極限状態とは、一切の取り繕ったもの、嘘くさいものが拒絶される世界に違いないと思う。

と、そんなことを考えながら、3連休の最終日の夜、あるニュース番組を見ていたら、制服姿の
素朴な感じの中学生の女の子がクローズアップされていた。
その子は吹奏楽部だそうで、ある学校の体育館の避難所を一人で訪れ、被災者の人たちの
ためにトランペットを吹きに来たと言う。

彼女は、「ふるさと」 と 「上を向いて歩こう」 の2曲を吹いた。

その幼げな風貌や雰囲気からしてそんなに上手そうではないな、とは思ったけれど、彼女の
演奏はただ愚直に音を追っているのみで、長音のしまい方も雑で、予想通りお世辞にも上手い
ものではなかった。

なのに、ゆったりと吹かれた 「ふるさと」 の最初の ♪うさぎ追~いし かの山~ のところで
既に、私の喉の奥からいきなり嗚咽が込み上げてきたのだった。

冷静に見ていた私がそうだったくらいなので当然であるが、その体育館のフロアに散らばって
座って聴いていた被災者の人たちは、皆一様に眼鏡を押し上げてハンカチで涙を拭きながら
演奏に聴き入っていた。

「ふるさと」 は、ゆっくりと落ち着いたテンポを守って感動的に吹けていたが、「上を向いて歩こう」
は、少し走ってしまっていて、もう少し1音1音をゆっくりと味わい深く吹いたらもっと良かっただろう
に・・・と私らしくシビアな聴き方をしながらも、涙はいつまでも止まらなかった。

そこで思った。
もしかしたらこの少女のトランペットは、この初期段階の避難状況下において違和感なく響き、
まっすぐに被災者の心に届く唯一の音楽だったかもしれないと。

まず、単音であることが潔い。リズムもコードもなく、ただメロディだけ。
そしてトランペットの音色って、ものすごく真っすぐで直裁で、力いっぱいなものだと思う。

これがハーモニカだと少しセンチメンタルが過ぎる気がするし、バイオリンでは、お風呂も入れず
着のみ着のままのスウェット姿で聴いている観客の前ではスノッブ過ぎて嫌味な感じだし、
サックスは音色自体がどうしてもクールで小洒落ているので、やっぱり少し違うかなと思われる。

ここはやはりトランペットだ。
しかもプロのトランペッターのスキルフルなプレイではなく、あえて吹奏楽部の中学生の
「とにかく力いっぱい吹く」 という武骨な演奏が何よりもクリーンで美しい。
トランペットの音色がこんなに感動的であるというのは、正直あまり感じたことがなかった。
フェリーニの名作映画 『道』 でジェルソミーナが虚空に向かって吹くトランペットは、もしか
すると若干この感動に近かったかもしれないが、しょせん虚構の世界である。

音楽というものは、ウマヘタはあまり関係ないのだ、というのは常日頃から気付いていること
ではあるが、今回もしみじみとそれを実感することとなった。

また、だいぶ余談にはなるが、この少女のトランペットの他に私が思わず涙をこぼしたニュース
映像が2つほどあった。

ひとつは、震災から1週間も経ってからやっと、安否不明だった父親と電話連絡がついた若い
母親と小学生くらいの2人の娘が順に、避難所が用意した固定電話でその父親と話をしている
場面だった。

母親と、妹のほう(小3くらいかな)が割と明るくサバサバと、
「お父さん!良かったね~!麻衣たちも元気だよ!」 などと声を掛けたのち、「じゃお姉ちゃんに
代わるね」と受話器を渡された姉(小6くらい)は、父親の声を聞くなり 「お父さん・・・」 と一言
発したあとは長いこと何も言わずに、受話器を耳にしたままさめざめと涙を流していた。
そのあとに、レポーターが無粋にも、「どうだった?」とその姉のほうにマイクを向けると
その子は泣きながら一言、「安心した」 とだけ答えた。

独立独歩でうまくやっていく下の子っていうのはだいたいこんな時、ケロリとしたものかもしれ
ないが、やはりお姉ちゃん(長子)というものは、より真面目で親思いなのだろう。
父親を亡くしたらそのあと母と妹の3人でどうしよう、とか長女らしく色々リアルに頭を悩ませて
いたのかもしれない。
父の声に無言でただただ涙を流す、いたいけなお姉ちゃんの姿をテレビで見た人はたぶん全員
泣いたのではないかと思う。

やはり真の感情というものは言葉を尽くさなくても伝わる。音楽もしかり。

そしてもうひとつ私が涙した映像。
それは何県か覚えていないが、テレビ局のヘリが孤立した地区を上空から探して飛んでいた際
ある学校の校庭の真ん中に白い線で大きな大きな輪が描かれ、その中に「H」の文字、すなわち
にわか作りのヘリポートが仕立てられているのが確認された。

そこにはまた大きな字で、「水・食料・700人」などとも書かれていて、上空にいたリポーターが
「大変です、この学校にも700人もの方が孤立し、避難されてるようです!」と実況している中
よぉ~~く映像を見ると、その大きなHの文字をうまいこと敵と味方の陣地に見立てて、大マジで
ドッチボールをしている数人の小学生の少年らが見えた。

リポーターは何故か彼らについては言及しなかったが (確かに惨状を伝えている流れには
全くそぐわない) その少年らは、上空のヘリコプターを見上げるでも、手を振るでもなく、ただもう
思い切り振りかぶって敵に向かってボールを投げ、相手陣地の子は死ぬ気でボールから逃げて
いた。
最初は 「この学校、本当に助けを求めてんのかぃ!」って画面にツッコんだ私だったが、よくよく
考えると、こんな時でもすぐに環境に慣れ、というか逆に、いつも友達が近くにいる集団生活を
心から楽しみ、ヘリポートの白線を見てドッチボールを思いついて真剣に遊んでいる子供たちと
いうのは本当に頼もしい、という考えに即座に変わった。こうやって、日本の、いや地球の未来を
担う新しい生命は、強く強く生き抜いていくのだ。

子供って何て尊い存在なんだろう!と思ったら、不思議に涙が出てきたのであった。
(年のせいだろうか。涙腺ゆるすぎ)

話は思い切りそれてしまったが

あと1ヶ月もしたら、色々なジャンルの色々な音楽が被災者の人たちの心に抵抗なく届いて
いくかもしれない。手元のラジカセをラジオの災害情報から音楽に切り替えて、心からそれをを
楽しめるようになるかもしれない。
そして、TVの震災後の模様を伝える映像に、明るい楽しげなBGMがそれなりに似合ってくる
ような状況になっていくかもしれない。

いつになるかは判らないけれど、早くそんな日が来ますようにと祈ります。


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ベアトラック

そんなことがあったなんて知りませんでした。
彼女のトランペットの音色、聞いてみたかったです。
彼女は被災しなかったのでしょうか。

被災地の一日も早い復旧・復興を願うばかりです。
by ベアトラック (2011-03-24 08:57) 

MASA

屋上のHのニュース映像は観たけど、ドッヂボールなんかやってたっけ?
多分大人ほど事態を深刻に捉えていないがゆえの無垢な強さ、とでも言うか、そんな感じがしますねえ。
まあ子どもはそれでいいんだと思います。

ワタシは観てませんが、そのトランペットの演奏もその子の健気さやプリミティヴさが伝わったんですね。
そういう意味で確かに音楽の感動ってテクニックだけじゃないです。
ありきたりだけど、要はハートですよ、ハート(笑)
by MASA (2011-03-24 22:11) 

white berry

milk_teaさま、こんにちは。
私は無事です。地震当日は出先から戻ったばかりでちょうど会社に居ましたので、大きな災難はなく次の日のお昼前に帰宅しました(笑)。

トランペット少女さんのお話、胸が熱くなります。
特に「ふるさと」は、家や住んでいた町ごと失ったような人々には、涙が止まらないでしょうね。
それが歌詞のついた合唱とかではなくトランペット1つ、という、余計な飾りのなさが素直に心に入ってくるのかもしれません。想像にかたくありません。
私が見たあるニュースではニューヨーク(確か)の街角で日本人の合唱隊がやはり「ふるさと」を歌っていましたよ。
それもとても感動的でしたが、たぶん被災者の皆さんの真ん前で今やるにはどこか整然としすぎているかもしれません。
「澄まして立っていないで皆さん、おにぎり配るの手伝って下さい!」とか言われちゃうかもしれないです…。

少女のふるさと、聴きたかったな。動画であがってないでしょうかね。


ドッジボール少年も見たかったです。なんともいじらしいですね。
結局は、こんな時は少年少女の若い命が日本を明るくしてくれるということでしょうか。
by white berry (2011-03-25 09:33) 

milk_tea

ベアトラックさん、いつもありがとうございます!
お店で義援金キャンペーンを始められているようで頭が下がります。
また、こういうゴタゴタの中お父様を亡くしていらっしゃったとは。大変でしたね。

>彼女のトランペットの音色、聞いてみたかったです。
>彼女は被災しなかったのでしょうか。

素朴で非常に感動的でしたよ。あまり上手ではなかったのですが・・・。
彼女自身が被災したのかどうかは見落としましたが、おそらくは、自身の家は
大きな被害はなく、学校にボランティアで手伝いをしにきていたといった感じだったと思います。
実際、体育館でいきなりトランペットを吹くのはちょっと勇気が要ったかも・・・。
ベアトラックさんもしばらくは色々お辛いでしょうが、早く元気になられますように。

by milk_tea (2011-03-26 10:57) 

milk_tea

MASAさん、いつも恐縮でございます!

>屋上のHのニュース映像は観たけど、ドッヂボールなんかやってたっけ?

まあ、上空から被災地区を探すみたいな映像は各局でやってましたよね。
そのひとつです。
他にも、学校で避難状況を伝えるレポートの後ろで、土手になっているところで
キャーキャー言いながらダンボールで滑り降りている子供らも見ました。
なんか私、そういう現場のリアルさのほうに注目しちゃうんですよね。
子供が元気なのってすごく安心します。

>そのトランペットの演奏もその子の健気さやプリミティヴさが伝わったんですね。

プリミティブさ、そうかもしれない。やはりこういう、人の力では及ばない大きな災害のような環境下では、よりプリミティブなものが場にふさわしいのかもしれません。
by milk_tea (2011-03-26 11:21) 

milk_tea

white berryさんこんにちは。
都内勤務のwhite berryさんは会社に泊まられたのですね。
私もオフィスにいましたが、夕方決心して、何時間も歩いて帰りましたよ。
7cmヒールのロングブーツで。家に帰ったら停電・断水してました。

>特に「ふるさと」は、家や住んでいた町ごと失ったような人々には、涙が止まらないでしょうね。

そうだと思います。たぶん皆さん夜の就寝時間に毛布にくるまって、今は消失した自宅の居間や自分の部屋や大切にしていた物、そしていつも歩いていた家の前の路地とか桜並木とか、あれやこれや順に脳裏に浮かべては喪失感で気が遠くなりながら眠りについているかと思います。それが「人」であれば喪失感は比べものにならないでしょうし。ちょっと実際のところは想像もつきませんが。
「ふるさと」のメロディが理屈なく涙腺に来るのは当然だと思われます。

>私が見たあるニュースではニューヨーク(確か)の街角で日本人の合唱隊がやはり「ふるさと」を歌っていましたよ。

それね、私も見ましたよ。(どれだけ見てる!っていうくらい私はTV見てました)
街角で募金つのってましたね。あの「ふるさと」もいいなぁって思いましたが、
少女のそれは、もっと理屈じゃなかったです。やはりプリミティブだったんでしょう。
みんな、示し合わせてもいないのに「ふるさと」を演奏するのがすごいなって思いますね。

>少女のふるさと、聴きたかったな。動画であがってないでしょうかね。

探してみましたがありませんでした。
そもそもどこの局だったのかも思い出せず・・・。長時間の特集っていうわけでも
なかったのです。正味5分くらい。

>ドッジボール少年も見たかったです。なんともいじらしいですね。

これもyoutubeには上がらないだろうなあ。
でも私の会社で、この話をしたら同じ映像を見た人がいました。やはり同じように
「いいぞ!もっとやれやれ」と思ったそうです。今回見た「三大ホッとする映像」
ではないかということでした。

さて、卵とパンがなくなったので頑張って探しに行って来ます(笑)
お米、卵、パン、牛乳といった基本食料が本当に少なくて困りますね。

by milk_tea (2011-03-26 11:45) 

V.J.

姐ぇ
ご無事でなによりです。
トランペットも上を向いて歩こうもピンと来ませんが…

>毒蝮三太夫あたりに慰問してもらって 「おいババア、疲れた顔してねぇで元気出せ」
くらい言ってもらうほうが、心はよっぽど安らぐかもしれない。

そう思います。
僕は、先週、日本に入国すら出来ないんじゃないか?って位、UKでムショを出たり入ったりしてた、筋金入りのチンピラ(ルー・ルイスと言います)のLIVEを観に行ってました。

LIVE冒頭、1分間だけ黙祷ありましたが、後は、変なメッセージも、お涙ちょうだいもなしの、純度100%のロケンローに、ココロ打たれて来ました。

ま、同じ週に、C.ローパーのライヴで感動させられちゃったりしたんですけどね。

僕は、こんなときだからこそ、不謹慎なまでに、普通の生活をして行きます。
そうしないと、本当に苦しんでいる人達に失礼だから。

安っぽい、センチメンタリズムなんて反吐が出るよ。(ごめんなさい。キタナイコトバで・・・)

by V.J. (2011-03-26 22:31) 

milk_tea

V.J.くんこんにちは。今回もコメント嬉しいです!

ルー・ルイス。知らない・・・。
音楽に限らず色々なエンタメイベントが開催中止になっているようですが、やってるものは、やってるんですね。
なんか今は、節電とか安全とかいうよりも「音楽なんて悠長なことやってる場合か」
みたいな、精神論が勝ってるムードがありますね。
私の部屋から地元の中学校のグランドが遠くに見渡せますが(高台のため)
春休みの部活動も一切やっていない模様です。グランドに人っ子ひとり居ません。
別に、そのくらいやればいいのに。これも教育委員会の精神論的お達しが各学校
に来ているのだと推察されますが、ちょっと「?」ですね。

>ま、同じ週に、C.ローパーのライヴで感動させられちゃったりしたんですけどね。

あらまー!あれ行ってたんですか。いいなぁ。仕事も忙しいだろうに、ちゃんとそういうトレンドどころを押さえているV.J.くんはやはりスゴイですね。

>僕は、こんなときだからこそ、不謹慎なまでに、普通の生活をして行きます。

上記に書いたように私も実はそれ、とても賛成です。
こちらは直接被災しているわけでもないのだから、一緒に暗くなって普通の生活を停止している必要はない気がします。関東地方なんかまだ、一緒に暗くなる背景も多少はあるにせよ、中部以西の方々なんて、実際ほとんど影響ないのに、どうも一緒にこうべを垂れて粛々としていないと不謹慎、なんていうムードがあるとしたらおかしいですね。
日本経済の停滞を防ぐためにだって、普通に暮らせる人はなるべく普通に毎日を生きるべきですよね。
別に、被災地のために義援金を出したり無駄に電気を使わないよう何もしないでいる事ばかりが正しい行いってことじゃなく、自分の領分を自分なりに精一杯頑張っていればいいのかも。

>安っぽい、センチメンタリズムなんて反吐が出るよ。(ごめんなさい。キタナイコトバで・・・)

いやいや~、判りますよ。他の人は知りませんけど、我々少し似ていますもんね。
(これを不当に感じたらごめんなさい(笑))
テレビで「大丈夫!キミはひとりじゃない!」とかやってると、なーんとなく、衣食足りて恵まれた位置から何を言ってもウソくさくも感じられて。だいたい「キミはひとりじゃない」って本当に保証できるのかと。現場で、「ああ私はひとりじゃないんだな」って個々人がしんみりと感じられるようなシーンはきっととても多いと思うけど、遠くから「ひとりじゃないぞ!」って叫ばれてもね。じゃ誰か連れて来てくれ、って感じじゃないかなと思うんですよね。

さっきやってたけど江頭2:50が顔を隠して自分でトラック運転して水と食料各地に運んでいるのが、たまたま見つかっちゃったらしいですね。でも別にその後のコメントも出してない。こういうほうがやっぱりジツがあるし、カッコイイな。
・・とか、あれこれ自室で語っているだけの自分が一番カッコ良くない(泣)

色々インスパイアされるコメント、ありがとうございました^^
自分の生活、まずは頑張りますっ!
by milk_tea (2011-03-27 13:59) 

あるべりっひ

milkさん こんばんは。

11日当日は、仙台市内で被災しました。
被災後、仙台空港に向かいましたが・・・たまたまレンタカーに付いていたTVのおかげで私は故郷に無事帰ることが出来たしだいです。

お世話になった事業所の所長が11日深夜、中学2年の長女が行方不明だからと・・・探しに行くのをお手伝いしました。若林区の津波被害地は、TV映像以上の状況でした。
翌朝に学校で無事が確認され一安心でしたが、学校から帰った彼女の友人は何人も行方不明になっているとのことでした。
彼女は、その後家族で学校で避難生活をしていましたが食事や水などが無く相当な不自由を感じたことでしょう。
私たちが、仙台を離れる日に私たちがお世話になっていた事業所にやってきた彼女たち。テーブルに置かれたお菓子を見た・・・何ともいえないお姉さんの笑顔・・・今も忘れられません。

3日間の避難生活でしたが、『音楽』なんて考えられませんでした。ただただ自然の力に、平伏すしかないちっぽけな生物でした。

帰ってから、少しでも被災者の方々の手助けが出来るように・・・はしているつもりです。

学校の『H』マークのドッヂボール、少女のトランペット、長女と父親の電話・・・私も涙腺がゆるいのか・・・全てが所長のお姉さんとかぶってしまいます。

まだ、自室で音楽を楽しめない自分がいます。
by あるべりっひ (2011-03-28 22:49) 

Rickie

初めまして。
上を向いて歩こうを日本の多くのアーチストが大合唱するVを昨日見ました。
こちらでおっしゃるように、そろそろ音楽の出番になってきたのですかね?
まあ遠くから控えめに歌うレベルであるにしても。

ただ上を向いて歩こうの曲の本質を見出だせずに、ただのチアアップ系、あるいは単なる懐メロ扱いで鼻先で歌っていた歌手も多かった気がしました。
そこは若いアーチストたちも間違えないでほしい気がしますね。
by Rickie (2011-03-29 02:07) 

milk_tea

あるべりっひさん、こんにちは。ビックリです。仙台で被災されていたのですね。

>お世話になった事業所の所長が11日深夜、中学2年の長女が行方不明だからと・・・探しに行くのをお手伝いしました。

その方も無事だったということで結果的には一安心でしたが、行方不明の家族を探す作業、というのは想像もつかないくらいキツイ作業でしょうね・・・。

>若林区の津波被害地は、TV映像以上の状況でした。

私の今仕事している部隊は仙台に営業所があり、うちの部長が先週末、仙台の
営業所の視察の帰りに、奇しくも若林地区を見て歩いたと言っていました。
そしてまた奇しくも、あるべりっひさんと全く同じ言い方をしていました。
「テレビで見る映像はほんの一部分しか伝えていなかった。現場はもっとずっと
凄まじかった」と。そしてちょうど歩いているところから、少し遠くの瓦礫の山でいっぺんに何体もの遺体が見つかったらしい、といって緊迫した現場になっていたそうです。
そうやって、何日も何日もずっと遺体を引き上げては人に引き渡す、という作業をやっている方が沢山いるわけですよね。ちょっと想像を超えた世界ですが・・・。

>3日間の避難生活でしたが、『音楽』なんて考えられませんでした。ただただ自然の力に、平伏すしかないちっぽけな生物でした。

私はそういうシビアな現場は全く判りませんが、そういう感じじゃないのかなあと思っていました。やはりそうですか・・・。やはり衣食足りて音楽を知る・・・というところはあるのかもしれませんね。
日曜日に、ミュージシャンの高橋ジョージが被災地を訪問する番組をやっていましたが、彼も「俺もミュージシャンだし、一応ギターを持っていったんだけど、全くそういう感じじゃなかった。1度も出せなかった。まだとてもじゃないけどそういう空気じゃない」と言っていました。

>帰ってから、少しでも被災者の方々の手助けが出来るように・・・はしているつもりです。

そうですね。私ももちろん色々考えるのですが、私ごときがちょっと何かしたところで何もどうにもならない気もして、前のコメントでも書きましたが、毎日自分のやるべきことをキッチリやって粛々と社会生活を送ることしかない、と思ってそうしています。それとテレビや新聞などで震災関連のニュースをなるべく見て、「知る」ことにも務めています。結局そのくらいかな~。

>学校の『H』マークのドッヂボール、少女のトランペット、長女と父親の電話・・・私も涙腺がゆるいのか・・・全てが所長のお姉さんとかぶってしまいます。

でも、ある意味貴重な経験をされましたね。今後にも生きるでしょう。
取りあえずはあるべりっひさんがご無事で何よりでした。
by milk_tea (2011-03-30 00:42) 

milk_tea

Rickieさん、初めまして。コメントをどうもありがとうございます。
うっかり見落としており、コメント返しがすっかり遅くなってしまいすみません。

>上を向いて歩こうを日本の多くのアーチストが大合唱するVを昨日見ました。

これはたぶん、FNS歌謡祭のことかと思います。私はその時間、うっかり金八
先生にチャンネルが合っていて、見たいわけじゃなかったのに、何だか懐かしい
感じがして最後まで見てしまい、そっちを見落としました!FNS歌謡祭のほうが
良かった~(泣)
でも、予告編を2度くらい私も見ました。上を向いて歩こうを、坂本冬美とかフジイフミヤとか大勢で歌ってました。それですよね。

>こちらでおっしゃるように、そろそろ音楽の出番になってきたのですかね?
>まあ遠くから控えめに歌うレベルであるにしても。

確かに、ぼちぼち音楽の出番が増えてきましたね。
おっしゃる通り、遠くから控えめにという感じはあるかもしれない。
今朝、フジテレビで「かりゆし68」(数字が違うかも)っていう沖縄のバンドが
被災地の体育館で歌うたってました。
「俺たちの多くの仲間がこうして被災地にきて今日のように歌を歌いたいと言ってますが、来ていいですかぁーっ!」と、地べたに座る被災者の方々に問いかけてました。それはまあ、熱い気持ちは判るけど、毎日毎日よく知らない若いアーチストたちが押しかけてはガチャガチャやられてもねえ。ちょっとそれはご迷惑なんじゃないかしら、と思いました。
その「かりゆし」もヒット曲が1つ2つあるらしいですが(全然私は知らない)彼らでも「ギリギリ」な感じがしました。やはり、誰が聴いても知ってるような曲やアーチストなら何だかんだ言っても聴く側も嬉しいでしょうけど・・・・。「知らない曲」って雑音でしかないかも。こんな時。

>上を向いて歩こうの曲の本質を見出だせずに、ただのチアアップ系、あるいは単なる懐メロ扱いで鼻先で歌っていた歌手も多かった気がしました。

たぶんそれって私も感じてることとイコールかもしれません。
あの曲を「手のひらを太陽に」みたいなノリで歌うのって違いますよね。
コード進行も凝ってるし、歌詞も実はすごく「下を向いている」。
決して明るい心境の曲じゃないのを、ムリムリ明るく歌っているというニュアンスは
理解して歌わないといけない歌だと思う。(そういうことじゃないですか?)

そもそも、上を向いて歩こう にしても イマジン にしても、1列に並んでみんなで
ユニゾンで歌っている時点で、なぜかすごい白けて来る種の曲です。
え、私だけ。^^;
よろしければまたご意見お待ちしてます!

by milk_tea (2011-04-02 12:14) 

milk_tea

書き忘れましたが、さっき書いた今朝のソングエイドの番組で、平原綾香がスタジオで「ジュピター」を歌いました。
昨年末、私は生で平原綾香のジュピターを聴く機会があったのですが、その時の
感動が蘇り(空気がビリビリ震えるものすごい声圧!)涙が止まりませんでした。
あのくらい歌が上手く楽曲が完成されていると、もう理屈じゃないです。
しかも今日よくよく聴けば、歌詞も被災地復興にピッタリな内容だった!
彼女こそ、全避難所を回って歌を歌って回っていただきたい人ですね~
あれはスゴイです。でもオーケストラ連れて行かないといけないからダメか。
(私ほど感動する・しないの落差が激しい人もないかな・・・(笑))
by milk_tea (2011-04-02 12:40) 

ポン太

初めまして。
ポン太といいます。
いつもはAmebaでブログを書いているのですが、
ユーミンの曲の歌詞の意味を調べていたら、このブログに行き着き、震災の時のこのお話とても感動してこちらに入会して投稿させていただきました。

このお話をfacebookで友達に知らせたいのですが、よろしいかしら?
(友達18人なんですが^^;)


by ポン太 (2013-03-11 13:16) 

milk_tea

ポン太さん、10日もブログほったらかしで、コメントを見落としていました。
ごめんなさい。
こんなブログに来ていただきどうもありがとうございます。
今さら遅いかもしれませんが、こんな文章でよかったら紹介してさし上げてください。
自分でも「何書いたんだっけ」と思って今自分の文章を読み直しました。
これを書いた頃はまだ震災の直後もいいところで、本当にまだ、現場が悲惨すぎてBGMが載せられないようなタイミングの時でした。
ここから3ヶ月もすると、色々なアーティストが被災地を訪れ、音楽が被災地を明るくし始めたと思います。なんでも時が解決していくものですね。

by milk_tea (2013-03-21 23:25) 

ポン太

milk teaさん
お気づきいただきありがとうございます。早速私のブログにて紹介させていただきました。

>やはり真の感情というものは言葉を尽くさなくても伝わる。

この話には言葉を超えて伝わるものがありました。

でもこのブログも2年経っても色褪せることなく、それは言葉を尽くしてらっしゃったからだとも思います。

巡り会えたことに感謝しております。


by ポン太 (2013-03-22 19:53) 

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