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MYアイポちゃん [音楽的雑談]

          

今や急激にポータブル音楽市場を席巻しつつあるHDDプレーヤー。
私は周囲の仲間がどんどんiPODを持ち出しても、何故か頑強に抵抗を続けていた。
何だか、聴きたい曲に常に瞬時にたどりつけるというお手軽さにはあまりに詫びさびがなく思え、
遠い昔お小遣いを貯めてやっと手に入れたビートルズのアルバムのレコード盤に初めて針を落とす
興奮とか、同じアルバムを1ヶ月くらい毎日バカみたいに聴き続けて全曲をひと続きで記憶しまう
ような音楽との付き合い方への郷愁が、どうしても私にiPODを買わせなかった。

とはいえ、便利なものは利用すべきだ。最新の技術というのはやっぱり素晴らしい。それに文明の
流れに逆らって得することは今あまりない。
ということで、4月の誕生日に「自分へのご褒美」で 遅ればせながらiPOD mini (6GB)を買うことと
なった。(能書き垂れつつ結局は喜んで買うのだけど。)

今700曲くらい入っている。持っているアルバムを全て入れ込んだら6GBくらい軽く埋まるが、
なぜか「好きだけどiPODに入れる気がしない」という種のアーティストやアルバムはかなり多い。
あれもホント不思議なものだ。
まず、上でも書いたビートルズだが、全く入れる気がしない。なので1枚も入れてない。
ポールなら何とか受け入れ態勢もあるのでは、と 『Tug of War』あたりを1枚だけ入れてみたが、
シャッフルなんかでたまにかかるたびに何故か速攻でスキップしてしまう。
どう頑張っても、(こんなことでそう頑張らなくてもいいんだけども)今さら聴く気になれない。
夜どこかのバーで飲んでる時なんかに、ふいとビートルズの後期のナンバーなどがかかったり
すると、妙に嬉しくてシンミリ聴き入ってしまったりことがあるものだが、それは単に
「たまたま出くわしたから嬉しい」だけであって、今さら、会社の行き帰りにアビーロードを
じっくり聴いてみようなんてことは100%思わない。もう脳内に完璧に刻み込まれている音を、
今さら確認作業をおこなう必要もない。
そういう意味では、ずいぶん世界は異なるが松任谷由実なども私にとってはこの部類に入るので
1曲たりとも入れていない。聴き過ぎてもう聴く必要がないのである。

とはいえ、聴き倒し度ではもっと上に位置するであろうCharのアルバムはたくさん入れ込んでいる。
前半の、アイドル色濃いChar単体の時代のものよりも、無骨にロックしているPink Cloud 時代の
作品のほうが多く入っている。
考えてみると、今さらあれだけ聴いてきたCharの歌をまた聴きたいという気持ちは確かに無いの
だが(彼は歌ヘタだし)、でも若気の至りのように突っ走るギターのギュインギュインした音色や、
たまらないソロのフレーズなどは、時を超えてまた聴いてもいいかなと思える。

そんなこんなで気付くと、iPODの中はインストもので一杯になってくる。結局、ポータブルで音楽を
聴く環境に、左脳も動かさなければいけない歌モノはheavyなのかも。
あるいはやっぱり、「歌=言語」より「楽器=音」のほうが最終的には有無を言わせず脳髄に到達
する原始的な説得力があるのかもしれない。
そういう意味では、インストものが多いマイiPODの中で妙に沢山入っている Earth, Wind & Fire
などは、歌モノなのに不思議と通勤途上の疲れた左脳を少しも刺激せず常にすんなりと聴ける
ところをみると、アースの歌はほぼ「歌」を超えて「楽器」に近い周波なのではないかと思われる。

あと、もしかすると「いつでも即座に手軽にアクセスできるデジタルな音楽」という乾いた世界と、
「若い頃にじっくり聴いた青春の痛みを伴う思い出の曲たち」という湿った世界とがあまりにも
相容れない両極にあり、無意識的にラインナップから外してしまうのかもしれない。


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