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パット・メセニー Ⅱ ~拍子がわからないと拍子抜けだ!~ [洋楽]

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いやぁ、何ともイイ表情でギター弾きますよねぇ~、パット・メセニー

さて、唐突ですが

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これは何でしょう?
何かの暗号とか、モールス信号とかではありません。
新幹線のぞみ号のトイレの位置確認表でもありません。

しかし、これはパット・メセニーファンなら誰でも知っているべきものです。
もうちょっとヒントを言うと、これはリズム譜。
音そのままで表現すると、

  ♪ ンチャチャッチャッ  チャチャッチャッチャ  
   ンチャチャ ンチャチャ  ンチャッチャ

そうです。
パット・メセニーといえば変拍子。変拍子といえば、やはり誰でもすぐに思い付くのが、彼の代表曲中の代表曲、『ファースト・サークル(First Circle)』 だ。
上記は、この曲のハンドクラップ(手拍子)部分のリズム図でございます。

パットのライブに行くとほとんど演らないことがない、というくらい必ず演奏される曲、ファースト・サークル。
この曲は、手拍子から始まり、そこからペドロ・アズナールの野性味あふれる声や、しなやかなギターのアルペジオの調べがそれを追いかけ、後半どんどんドラマティックに盛り上がっていき、最後は大団円での豪華エンディングとなる、聴くたびに背筋がゾゾゾ~と寒くなるような感動の一曲。

この曲がライブで相当の頻度で演奏されるには、ある意味、別の理由もある。
この変拍子の難しいハンドクラップを観客みんながやる、という楽しきパフォーマンス付きだからだ。

いわゆる "参加型" っていうやつですね。こういうのがあると、ライブの進行に良いアクセントがついて、他がいかに盛り上がらない曲、知らない曲ばかりであったとしても、結果的には「あぁ~楽しいライブだった!」ということになる。ライブって意外とそんなもの。

日本のアーティストなんかでも、たいてい「お客さん盛り上げ用」の定番が数曲あるものだ。
だいたいは、観客席をタテ4つくらいに区切って「はーい、ここAチームね。で、ここからBチーム。おーっと、Bチームは元気だなぁ!いいねいいね~」とか何とか言いながら、皆んなで何か順に歌わせたり叫ばせたりして、ライブを力づくで盛り上げる。
私などはだいたいヒネくれているから、そんな時はたいてい「またまた子供だましな・・・」とか思いながら、お付き合いで仕方なく蚊の鳴くような声を上げる程度。

パットの 「ファーストサークル」 も、ステージのメンバーがまずハンドクラップを始め、パットがあのピースマークのようなスマイルを浮かべて「さあ、皆んなも一緒に・・・」というムードで我々をいざなうあたり、基本的に上記と同じ世界のはずだが、「子供だましだなぁ~」とかは絶対思わないのが他と一線を画すところ。

何故なら、門外漢あるいはパット・メセニー初心者は、絶対にこのハンドクラップは出来ないからだ。
何度もこの曲を聴き込んでリズム構成を理解し、ある程度自分でも実際に手を打って練習してみるというプロセスを踏まないとちょっと無理。
それだけに、これが出来る者は必ずや、前のめりになって一緒に手を打つ。
パットの音楽について「彼の音楽は、実はフリージャズにあるのだ!」とか「大衆におもねったポップス的楽曲は彼の本分ではないんだよね」みたいな事を言いつつ気難しい顔をして業界割当ての席に座っているその道の人なんかも、ファーストサークルになると、けっこう嬉しげな表情を浮かべながら、きちんと座り直して正しいハンドクラップを刻んでいる。

これは「自分、とりあえずパットの音楽わかってますからっ」 という自己表明であり、何か、人間がもつ根源的な自尊心というか特権意識というか、あるいは「キミ打てるの?俺も俺も ♪」といった仲間意識みたいなものを妙にくすぐられる数分間と言っていい。
世界のパット・メセニーの繰り出す凝った変拍子を、ちゃんとおのれの手で打てている自分が妙に嬉しく誇らしいワケだ。(ま、実際はたいして難しいものではない。)

どうも、見渡したところ8割がたの人はカンペキに出来ているようだ。初めての人も、たいていはこのハンドクラップ芸?だけは予習してくると見える。
きっと一緒に行く友達に「ファースト・サークルの手拍子出来ないとヤバイよ。白い目で見られるよ」とか、さんざん脅かされて来るのだろう。
しかし1割くらいは、最初から完全に放棄していて、薄笑いを浮かべ全く参加していない。そして残りの1割は、おそるおそる参加してみるが、全くついて行けずに、シンバルを持ったおサルの人形のネジが切れかけている時のように、途中で手がほとんど止まってしまっている。

さて、15年くらい前か、私が行った2回のライブではどちらでもこの曲をやり、私は「キター!(゜∀゜)♪」 とばかりに、得意げに完璧なハンドクラップをしてみせたものだが、実は最近になって、自分の、このリズムの解釈が間違っていたという恥ずかしい事実を知った。

あたまに書いた、正しいリズム譜と音の描写はこれだが:

 

  ♪ ンチャチャッチャッ  チャチャッチャッチャ  
   ンチャチャ ンチャチャ  ンチャッチャ

私は長いこと、こうだと思っていた。↓

 

 ♪ チャチャッチャッ チャチャッチャッチャッ   
  チャチャッ チャチャッ チャッチャッ

 (なんか目がシバシバする・・・)

これだけ見るとちょっとワケがわからないが、

 

あたまの休符1つ分、ズレてリズムを取っていたのであった。

言ってみれば三々七拍子のちょっと凝った版、くらいの認識でいた。
だいたい、この曲が楽器なしのハンドクラップだけから始まるのがいけない。その時点であたまの休符に気付くわけがないのだから。

しかしながら、最近になってやっと、この「チャチャッチャッ」だと、なんだかどうも曲全体のリズムに乗らないというか、これだとリズム構成がモヤモヤして、てんで全体像が見えてこない事が気になり始めた。
そこで、ふと、あることに気付く。

この曲にはこれとは別に、全体を貫くひとつのリズム

  ビューーン ビュン ビューーン ビュンビュン | 
  ビューーン ビューーン ビュンビュン

が、ある。もう少し記号的に書くと

 

となる、11拍子(6-5)のクールな譜割りの音が、時にギターで、シンセで、ペドロの声で、ずっと敷かれている。
この音と、ハンドクラップとを同時に注目して聴いてみると、ナント!! 
この2つの音は決して混じることがない。

要は、ビュンビュン と チャッチャ がお互いの休符部分を埋めあって、つづれ織りのような1枚の途切れない音空間を作っていたのである。

その認識で再度よく聴いてみると、私が チャチャッチャッ だと思っていたものは
チャチャッチャ だったことがわかってきた。
(あたまの休符に当たる半拍の空白部分には ビュ が入るわけだ)

もう少しわかりやすく書くと :

 

 = シンセなどのビュンビュン音
 = ハンドクラップ


ビュンビュンのほうは、変拍子ながらも問題なくすんなりと聴けるカッコイイ流れなのであるが、そのウラの音を拾ってつなげてみると、なんかちょっと響き的に奇異な配列のリズムになる。
そこをあえて、そっちの奇異な音のほうを前面に持ってきて一番際立った音(手拍子)として使う・・・という、ちょっと普通思いつかない音作りだったのであった。

それに、この曲に限ったことではないが、6-5なんていう、カクッと来そうな難しいリズムを、ごく
自然な流れとして聴かせる。それどころか曲の後半では、その変則リズムが逆に疾走感ある怒涛のような妙なグルーブを呼び、エンディングにかかる頃には、ほとんど頭の中がブッ飛んで完全に昇天してしまう。
いやぁ、パットってスゲ~わ。

この表題曲以外にも、アルバム 『First Circle』 は、本当に名曲で一杯なので、ご興味のある方はこれまた是非1度、手に取ってみていただきたい。

  

2曲目の 『Yolanda, You Learn』 は発売当時にはまだ希少だった、いわゆるプロモ・ビデオを作り、MTVなんかでもしょっちゅうやっていた。なんか、アンディ・ウォーホルっぽい、ビンのフタだの缶カラだののイラストがパッパと移り変わっていくような、NYテイストなPVだったと思う。

そして3曲目の表題曲 『First Circle』 の、思わずチビってしまいそうな大団円エンディングの直後にいきなり静寂と静謐の世界に立ち返るギター1本での 『If I Could』 も涙ちょちょ切れる素晴らしさだ。
その後も美しい曲が続き、ラストの 『Praise』 は、前半の強烈突っ走り路線から一転して、素直で優しく爽やかな曲調で、安らいだ気持ちでアルバムは終わる。

このアルバムは、このように2曲目以降は、ハジけては居てもある意味 "ノーマル" なのだが、1曲目の 『Forward March』については 「はぁ~??」 というような、常識を覆す曲(というか単に風変わりな曲)なので、このアルバムでパットを知ろうとする人が居たとしたら、まずそこで腰が引けてそのあとを全く聴かなくなってしまいそうで、パット・メセニー宣伝活動強化月間展開中の私にはそれだけが心配だ。

なんか、映画 『ブリキの太鼓』 と 『裸の大将放浪記』 (山下清)の雰囲気をミックスして2で割った感じを想像してもらえば近いだろうか。(←この例えで判る人はたぶん居ない)
とにかく不思議な曲なのだ。たぶんほとんどの人が「おいおい、何なんだ、この曲!大丈夫か!!」と少なからずワナワナすると思うが、音楽ツウの人ほど 「いや、あれが1曲目だからこそイイんだよ。わかってないなぁ。素晴らしい曲じゃんか」とか言う事が多い。私の周りでもそう。
(本当かぁ?と実はいまだに疑っているのだが)

そんなこんなで、なんか昔より "よりパット・メセニーを理解してきたかしらぁ私~?" なんて多少
イイ気になって、「こんどライブであれ演ったら、ビュンビュンとチャッチャを手足で別々にやったろう」くらいの余裕のノリで、今から半年ほど前に、新譜をひっさげてやってきたパット・メセニー・グループのライブに行って来た。

しかし、このライブは「ファーストサークルの手拍子出来るしぃ~」程度の、パットのデカさに対してあまりに無用心で甘っちょろかった私の気分を銀河系の外まで吹き飛ばすくらいの、スゴイものだったのである・・・・・。

         
         こんな可愛いピックがあるのですね~

さて、あまり長いとまた苦情も出ますので(笑)
不本意ながら、新しいライブの話はまた改めるとします。
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コメント 38

P's

おばんです~
milkさんご無沙汰しています。
ご無沙汰はしていますが、全部読んでます。
もうこれは出版したほうがいいよ。
論点、文体ともに売れますよ。これは。

パットも楽しく読ませてもらいました。
First Circle ね。
私このレコード、20年前ぐらいにレコードで買いましたよ。
(アナログ)よく聴いた。よく聴いたけど、手拍子のコピーをしたのは
巷で叩く人が増えてきたこの7,8年前ぐらいですね。(どんな巷じゃ)

実は私も手拍子は1拍めスタートだと最初まちがえた。
Milkさんと同じ。曲が始まってしっくりこないことに気が付いた。
でまてよ、と。曲の1拍目はどこだ?と。ったら、あのビュン音が
1拍目と気づいた。となると右手でビュン、左手でチャッと
両手で叩けるんですよね。ある意味そのほうが手拍子だけよりも
叩きやすいかも。(言っていること同じですね。失礼しました。
みんなおんなじね。仲良しね。)

>映画 「ブリキの太鼓」と 「裸の大将放浪記」(山下清)の雰囲気をミックスして2で割った

これ大笑いしてしまいました。
これから1曲目聴くたびに大笑いしそう・・・
by P's (2006-06-07 12:16) 

roland bynum

キューバのソンとかアメリカのサルサはクラーべ(拍子木)の2・3、3・2が基本リズムになってるでしょ。ンカッカッ・カッカッカってやつ。そのリズムの間を縫うようにコンガの低音、ボンゴの高音がパカランボコボンスカランと縦横自在に動き回り、うねるような全体のリズムができて行く。コンサートの時も有名な曲はお客さんがクラーべリズムを拍手でやりだして、それに乗ってゆくように
曲が始まるんだよね。ありゃ凄い。アメリカの黒人とかって手の平がでかくて硬いから乾いたいい音が出るんだ。で、そのリズムが裏拍子だらけで粘っこいのね。アジアの喉自慢での手拍子の手をすり合わせながら表拍子を得々と叩いてる単純なやつとずいぶん違う。西アフリカ伝来のリズムだよね。ルンバ・クラーべなんかだと2・3の3の最初が半拍遅れてチャッチャッ・ンチャチャッチャ
と非常に難しい。半拍遅れでリズムにスピード感がでるんだね。しかしそれにも関わらずヒスパニックピープルはリラックスしつつも実に正確に手拍子を繰り出す。これはもう血だのうと一人納得し、自分はアジアで静かに暮らしてゆくほうがよいと思った、そんなことがあったなあ。
by roland bynum (2006-06-07 13:18) 

縦割

今日の朝いちに拝見したら、トップにあがっていたリズム譜が確かにチョイと
見ずらいかも知れないな、と思って、再度あけたらいきなり、きわめて
わかりやすい表にすり替わっていたので、イヤー笑いました。
(別に笑うところじゃないのか。失敬)
メセニーのこの曲も聴いたら知ってるかもな程度なのでコメントは出来ませんが
色々な切り口から多角的に音楽を考えていくmilk_teaさんの姿勢は、
素人の発想を全く超えていると思い感心した事しきりです。(いつもですが)
それにしても必死に夜中にリズム譜こさえたらしいmilk_teaさん、成果出て
ますよー。ご苦労さんでした。でも笑った。スマイルマークだったからかな。
by 縦割 (2006-06-07 14:15) 

milk_tea

P'sさんどうもこんにちは。
真っ昼間に "おばんです" って、また貴方。前回もでしたけど一体どこの国から
アクセスされているのでしょ~かぁ~

>手拍子のコピーをしたのは巷で叩く人が増えてきたこの7,8年前ぐらい
>ですね。(どんな巷じゃ)

そぉですかね?私が最初にLIVE行ってチャチャッチャをやったのは、かれこれ15
年近く前のことと思います。会場はもう皆さん平然と手拍子打ってましたね。
(平然を装うのがこれまたカッコいいわけだ)
ここ7,8年とのことですが、街角でファーストサークルの手拍子打ちながら歩いて
る人はトンと見かけたことないですけど~(笑) 
ま、色んな巷がありますからね。

>曲の1拍目はどこだ?と。ったら、あのビュン音が1拍目と気づいた。

そうそう。1拍目が探せないことから始まるんですよね。

>となると右手でビュン、左手でチャッと両手で叩けるんですよね。

あら。私は左手でビュン、右手でチャッチャ派です。(そんな派閥アリか?)
今やってみましたが逆はうまく出来ませんでした。
しかし、こんな楽しい会話が出来るのも、ここではごく少数派です。
意外にパット・メセニー、人気ない!全く聴かないって人、多いです。
(でも不思議にビートルズに迫る大量アクセスがありました。何でだ~)
by milk_tea (2006-06-07 19:48) 

milk_tea

Rolandさんご無沙汰です!

>そのリズムの間を縫うようにコンガの低音、ボンゴの高音がパカランボコ
>ボンスカランと縦横自在に動き回り、うねるような全体のリズムが

ほほ~。その辺ド素人ですけど、やはりリズムの合間を縫うように別のリズム
が入っていくというのは、そっちの世界では常套パターンなのですね。

>お客さんがクラーべリズムを拍手でやりだして、それに乗ってゆくように
>曲が始まるんだよね。ありゃ凄い。

日本じゃありえませんね。まず、日本人の大半が「ウラ」が取れませんからね。
リズム感がない民族って悲しいですね~~。
ところで、クラーベって何だろう。コンクラーベっていうのは聞いた事あるが。
(レベル低すぎ?)いやいや、自分で調べますぅ・・・

>これはもう血だのうと一人納得し、自分はアジアで静かに暮らしてゆくほう
>がよいと思った、そんなことがあったなあ。

リズム感がない分、我々が神から与えられた勤勉さとか生真面目さを駆使し
質素堅実に生きてく他ないですね・・・。ああ、私どっちも欠けている・・・。
しょーもない返ししか出来ませんが、また宜しくお願いしま~す^^;
by milk_tea (2006-06-07 20:01) 

milk_tea

縦割さん、本日もお疲れ様で~す。

>トップにあがっていたリズム譜が確かにチョイと見ずらいかも知れない

ぎゃ~。おぬし、見~た~な~(笑)
今回、リズム譜が記事のカナメなのに、テキストだけでそれをまとめようとした
のが間違いでした。観念して、パワーポイント開いて作り直しました。

>わかりやすい表にすり替わっていたので、イヤー笑いました。

なんでその、「笑いました」 に行くんでしょう!!こっちゃ~大真面目!!

>色々な切り口から多角的に音楽を考えていくmilk_teaさんの姿勢は、
>素人の発想を全く超えていると思い感心した事しきりです。

いつも誉め上手な縦割さん。ありがとうございます。
ネタが尽き果てるその日まで、頑張ります。
ま、でも1つの曲のリズムの話だけで1記事出来るとしたら、まだまだイケル
かもしれません。
そんなピンポイントな話、読まされるほうは堪らないかもしれませんが(笑)
by milk_tea (2006-06-07 20:15) 

P’s

おはようございます。milkさん。
15年前?それはかなり早い方よ。1985年の来日公演では
まだみんなやってなかったよ。
First Circleもいいけど、ヨランダで4小節に一回の
手拍子を決めるってのも渋かったですよ。
85年当時はそっちの方に神経行っていたかも。

右手左手で意見分かれましたね。
これはその人の自由だと思いますけど、
ドラムの奏法として考えるとビュンが右手の
ライドシンバル、チャッが左手のスネアという風になんとなく思えるし、
ドラムの手順で考えるとそのほうが自然という気がします。

でもそれはどっちでもいいんです。そうやって練習していると
この変なリズムが絶対的に調和してきていつの間にか
パットマジックに引き込まれていることに気付く、曲の中に
自分が同化していく、そんな気持ちになれたら音楽の楽しみ方として
とてもいいですよね。

複雑なリズムにいつの間にか同化している。これ、とても
大事な体験です。なかなか味わえない。ラテンなんかそういう
音楽なんですが、その境地に達するのはなかなか難しいです。
でも、パットのコンサートでみんなでこの手拍子を打つとき
そんな音楽の深淵を多くの人が同時に覗くことができる。
それがすごいよね。
by P’s (2006-06-08 00:03) 

Ghoen

milkさん、こんばんは。

> なんか、映画 『ブリキの太鼓』 と 『裸の大将放浪記』 (山下清)の雰囲気をミックスして2で割った

P'sさん(はじめまして)も反応していらっしゃいましたが、僕も同じところに反応。いやぁ、大笑いさせてもらいました。そうそう、まさにその通り!知ってる人は皆さん、この描写に大いに笑ったんじゃ?

どこかのインタビュー記事で読んだんですが、あの曲はアメリカ高校でのフットボールの応援楽団のヒドいサウンドをからかってやったんだそうですよ。ハズレた音程とか、ところどころリズムが歯抜けになったりとかね、なんだかソバカスだらけの顔したアメリカ高校生のマーチ隊が眼に浮かびません?音程もリズムもド下手でね、トランペットの最高音はかすれて出ないし、でも、そこをムリに頑張ってる感じとか・・・ククッ、もう音を思い出しただけで笑えてくる~。たまらなく可笑しい~!

あの調子のハズレた音程、ギターシンセの設定をいじって出してるそうですよ。なんかね、「xxxでなければならない」なんて縛りから離れて、いろんなことを見つけだしては試して面白いと喜んで、Patって、ものすごく冷静緻密な部分と、子供のような何でも楽しむ心と、両方持ってる自由人なんだなぁ、と改めて尊敬しちゃいます。

おーっと、ごめんなさい。本題のFirst Circleの6+5拍子に反応しなきゃいけないのに。いや、それはもう大好きなんですよ。もしも「世界で一番良い曲は何ですか?」と質問されたら、バッハもベートーベンもさておき、迷わず「First Circle」と僕は答えます。それくらい好きな曲なんです。まあ、そんな質問をされたことはないんですがね、今のところは。
by Ghoen (2006-06-08 00:39) 

ayumusic

こんばんは。metheny強化月間に協賛させていただいております。
前回は少ししゃべりすぎましたが、実は私、methenyのライブには1回しか行ったことがないんです。milkさんには、乾杯です。いや完敗です。(←すみません、パクりました)行ったのはletter from homeの頃でしたが、記憶ではfirst circleやってません。ライブで完璧に手拍子で参加された方が、まじでうらやましいー。でも当時もしやってたとしても、たぶん取り残されてましたねー。ライブってそれが楽しいとこでもあり、難しいとこでもありますね。
改めて聴きなおしてみましたが、6-5拍子、むちゃくちゃ難しいですね、最初の拍が抜けているのも、なるほどー。ただ、ちょっとずるいな、と思ったのが、Lyle Maysのsoloだけ、6-6拍子になっているとこ。グルーブ感は最高ですが、そのまま6-5拍子でsoloにすると、意外と面白いのでは、なんて思いました。あと、Steve Rodbyのbassが、なんかロック調で、若い!いまでは優しいおじさまですが、よく考えると、Lyleと一緒でECM時代からずっと永い友人関係なんですよね。地味ですが、素晴らしいbass playerだと思います。
by ayumusic (2006-06-08 01:08) 

milk_tea

>15年前?それはかなり早い方よ。1985年の来日公演では
>まだみんなやってなかったよ。

いや、15年前、ですよ?2006-15=1991年ないしは92年くらいの
ことです。

>ヨランダで4小節に一回の手拍子を決めるってのも渋かったですよ。

これを見て、Yolandaを聴きなおしてみたのですが、どれのことか明確に
わかりませんでした。そんなの、観客がやってたんですか??

>でも、パットのコンサートでみんなでこの手拍子を打つとき
>そんな音楽の深淵を多くの人が同時に覗くことができる。

そうですね~
みんなで手拍子を叩きながら、やがてパットのギターがそのリズムの合間を
縫うように、ピーンピンピーン・・・と鳴り出して、幾千の音がタペストリーを
織っていくような感じ。あれはやはり音楽を "ただ聴いている" だけでは
得られない快感でしょうね。手拍子ひとつで演奏の中に複雑に入り込んで
いけて音楽の深淵が少し覗ける、おトクな1曲ですね。
by milk_tea (2006-06-09 00:51) 

milk_tea

> 映画 『ブリキの太鼓』 と 『裸の大将放浪記』
>僕も同じところに反応。いやぁ、大笑いさせてもらいました。

ブリキのシュールな感じと、裸の大将のアホアホな感じの中間なんですよね。
あの曲は、ファーストサークルのツアーの頃、メンバー登場のシーンで効果的に
使われていたようですが(四方八方から、ピーヒャラ色々な楽器を弾きながら
メンバーたちがステージに集まってくるような趣向のオープニング)そのニュアンス
をアルバムにそのまま入れ込んでいるから、1曲目に置かれてるんですね。
そういう「くすっ」と笑わせ、次の曲を引き立てるためのスパイス的入れ込みに
しては、この曲かなり長いんですよね~。確か4分くらい・・・・。
あれは1分くらいで良かったんじゃないでしょうかね。^^;

>あの曲はアメリカ高校でのフットボールの応援楽団のヒドいサウンドを
>からかってやったんだそうですよ。

そうなんだーー!!意図がわかると結構楽しく聴けますね。
今日、電車の中で改めて聴いてみましたが、なかなか味わい深い感じが
しました。(単純)

>Patって、ものすごく冷静緻密な部分と、子供のような何でも楽しむ心と、
>両方持ってる自由人なんだなぁ、と改めて尊敬しちゃいます。

確かに、それは本当にそうだと思います。
自分の路線を固定せずに、色々な人と組んでは色々なことをやってみます
しね。それでいて確実に、彼以外の何物でもない固有の音を貫き通してるのが
尊敬に値します。

>もしも「世界で一番良い曲は何ですか?」と質問されたら、バッハもベート
>ーベンもさておき、迷わず「First Circle」と僕は答えます。

おーーー。それは私も嬉しいです!!
やはりGhoenさんも、この曲聴く度に最後のへん背筋が寒くなりますでしょ?
最後の最後、ハンドクラップが戻ってくるあたりで、完全に昇天しますよねー。
本当、イイ曲です~。
by milk_tea (2006-06-09 01:20) 

milk_tea

ayumuさん、マニアックネタでリアクション少ないところようこそぉ~(笑)

>実は私、methenyのライブには1回しか行ったことがないんです。

あれ、The Way Up Tour は行かれたんじゃなかったでしたっけ?
1回でしたか。でも私もそれほど行ってるわけでもない。計4回かな?

>letter from homeの頃でしたが、記憶ではfirst circleやってません。

うそっ、本当ですか?私は昔行った2回がどちらもやったし、何かでも
「よくやる」とか書いてあったし、友人がドイツ公演に行ったらやっぱり、やったと
話していたので、かなりの頻度でやるのだと信じてました。

>ライブで完璧に手拍子で参加された方が、まじでうらやましいー。

いいでしょぉ~。あれって、出来る人は得々とした顔でやってるし、出来ない人
は「ヤベぇ、俺こんなことじゃダメだ・・」と、かなりあせり顔だったりして
ある意味「踏み絵」的な可笑しさがありましたね。

>改めて聴きなおしてみましたが、6-5拍子、むちゃくちゃ難しいですね、
>最初の拍が抜けているのも、なるほどー。

ありゃー難しいですね。なんであえて11拍子なんかにするんでしょうね。
まあ、引っかかり感が出て、曲に緊張感が増して面白くなるという理屈は
わかりますけど。あれをよく寸分違わずにバンド全体が音合わせられますよ。
あの曲に限った話じゃないですけどね。ハッキリいって異常。

>ただ、ちょっとずるいな、と思ったのが、Lyle Maysのsoloだけ、6-6拍子
>になっているとこ。

あ~確かに。やっぱり、河の流れのようにピアノソロを美しく聴かすには
カクンカクン来てたらちょっと違うんでしょうかね。
でも確かにあれを6-5でやってみたのも聴いてみたい。

>あと、Steve Rodbyのbassが、なんかロック調で、若い!

へぇ~。私は自慢じゃないが、ベースに関しては評価眼(耳か)全然ないんです。
ベースラインが美しい、とかは判るわけなんだけど、ベース音そのものの評価
というかね。チョッパーとか分かりやすい事やってくれない以外、「おっ!この音
イイ!」などとピンポイントで感じること、めったにないです。
チャーリー・ヘイデンみたいなのは、実際腹にずしずし来るんでわかるだけで。
バンドの音の中でもしかしたら、一番わからないかも、ベース。
でもそれだけに、繊細で奥深い世界があるんでしょうねぇ~
ayumuさんも「実は一番モテる」ベーシストですもんね~(笑)
by milk_tea (2006-06-09 11:31) 

milk_tea

本文を読んで「それって、どんなリズムよ?想像つかんわ」という方。

http://www.amazon.co.jp/gp/product/B0000031SS/503-3522329-8023935?v=glance&n=561956

ここで試聴して見てください。3曲目です。音が悪いですが・・・。
一見スムーズに流れているようでいて、各小節のアタマを捕まえようとすると
一向に見つかりません!パットマジックです!
by milk_tea (2006-06-09 16:17) 

MASA

門外漢の私は今回黙して語らずと思ってましたが、milkさんが張ってくれたamazonの試聴のおかげでやっと具体的に分かりましたよ(笑)。こーゆーのってやっぱり文章じゃ伝わりにくいですね。でも聴いてもやっぱり分かりませんね、これ(笑)。
それでふと思ったのが、ビートルズの「抱きしめたい」と「シーズ・ア・ウーマン」。まあこの「first circle」ほど複雑で変調子を使っているわけでもないですが、この2曲、やはりアタマに休符が入っているのでリズムを掴みにくい曲だよなあ、と思い出した次第です。実は「抱きしめたい」はいまだに入りが掴めません。もう何十年も聴いてるのに(笑)。あんまり関係ない話でゴメンねっ。

そう言えば、こないだ高知のタワレコにCD買いに行った時に『Letter From Home』見つけて「これかあ」と思ったんですけど、他にいろいろ買った後で予算が足らずに諦めました。「何でそこで買わないのよぉ〜っ!」ってmilkさんに額に青スジ立てて怒られそうですが、それがスリップ・ケース入りのUS盤だったんですけど、あれって初回盤だったのかな?(分かんないですよね)でもそれだったら買っとくんだったかなー^^。
by MASA (2006-06-10 00:37) 

milk_tea

MASAさん、今回ピンポイントモンで来ずらいところ、ありがとうございます。
試聴ページを紹介して良かった!

>ふと思ったのが、ビートルズの「抱きしめたい」と「シーズ・ア・ウーマン」。

おーー。さすがMASAさん、イイところ突いて来るな!と思いました。
私も、「抱きしめたい」は、出だしのテンポの解釈がよくわかりません。
普通に入るとどうしてもちょっと早く歌いだしてしまう。でもその1拍分が
一体どこで足されているのかワケわかんないんですよね。
これ、椎名林檎でも1曲同じようなのがあるんですよ。1stアルバムの、「積み木
遊び」だったかな。イントロのギターのカッティングを心地よく聴いてるんだけど
途中で1拍分くらいダブつく。なんか違和感あっていつも引っ掛かるのです。
なぜ、あえてそうしているのかよくわからない。でもま、引っ掛かって何度も
聴いてしまう時点で、制作側としては戦略成功なのかな。
She is a Woman のほうは気付いてなかった。確認したいのだけど、私は
ビートルズの音源をほとんど持っていない!(泣)

>『Letter From Home』見つけて「これかあ」と思ったんですけど、
>他にいろいろ買った後で予算が足らずに諦めました。

いやいや、大丈夫、人にはそれぞれ向き不向きというものがありますし。
『Letter from Home』 は、わりと主張がなくて、初心者がフイと聴くとおそらく
一見上滑りな、いかにもフュージョン!って感じに聴こえそうな予感があるので
やめたほうがいいかもです。(これ知らない!と言われるより、これ嫌い!と
言われることのほうが怖い ← 臆病なファン心理)

フーン、スリップのUS盤なら初回盤じゃないですかね?ウンウン
(ウソです。そういうところに意識が行ったことナシ!スリップケースって
ナンダロウくらい知らない^^;)

ところで、ここ2週間ほど自宅のADSLの調子が悪くて、切れたりつながったりを
繰り返していたのですが、先ほどK○DIの担当者と電話で1時間指導を受けな
がら、首っぴきでモデム等の再設定などし、メデタク直りました!泣きそうに
嬉しい。これでまた長文書ける!(げ~)
by milk_tea (2006-06-10 16:20) 

MASA

「積み木遊び」は大好きな曲ですが、あ、そうでしたっけ?しばらく聴いてないので忘れました(汗)。
でも、やっぱりこういう曲って敢えてリスナーの不安や混乱を意図的に煽ることによってインパクトを狙ってるんでしょうね。そうとしか思えないです。聴いてて気持ち悪いけど逆にそこが気になってしょうがない、みたいなね。

スリップ・ケースっていうのは要は紙のパッケージのことです^^。
よくCDの初回盤仕様なんかでこのパッケージに入ったCDがあります。初回じゃなく恒久的ですけどビートルズの「SGT. PEPPERS」のCDがそうですよね。あんなやつです。こういうどうでもいいところにこだわっちゃうのが私みたいなアホのマニアです(笑)。
by MASA (2006-06-10 22:04) 

Refugee

milk_teaさん、MASAさん

ふむふむ。milk_teaさんて「額に青スジ立てて」怒るんですね~意外でした(笑)
いや、なんか、相当クールなイメージが・・・

って、パットとは全然関係ないとこに反応してますが、なんかこうやって繰り返し「パットいいよ~」って聴いてると、次にどこかで見つけたときは、迷いなく買ってしまいそうですね。

私、変拍子は大好きですよ。なにせ、以前、プログレにどっぷりはまってましたから(プログレは変拍子の嵐です~)

そうそう、ブログ引越しましたので、たぶん(確認はしてない)、コメントの字数制限はないと思います。のれる話題のときには、是非こたつ広げてゆっくりしてってください(笑)
by Refugee (2006-06-11 13:29) 

幻燈遮断機

milk_teaお姉さま、おはようございます。
このレスを読んで、パット・メセニーについておぼろげながら見えてきたこと。
それはパット・メセニーというギタリストは、かなりの個性派なのなだな。ということ。
この手のアーティストは、聴く人はほぼすべてのアルバムを聴くが、聴かない人はまったく聴かないかの、二つに別れる宿命の傾向。
例えばT・レックスのマーク・ボラン。
ヴィブラートを多用した歌唱。
ブギー・スタイルなのに単純とも言えない楽曲。
(↑これは対位法をうまく使っているせいだと思う)
そしてなによりも、独特なヴィジュアル。
紫色のヴォルクス・ワーゲイン。
どれをとっても個性派アーティストです。
名盤「スライダー」や「エレクトリック・ウォリアー」は兎も角、
T ・ レックスのすべてのアルバム、シングル、そしてティラノザウルス・レックス名義まで遡って網羅している人(自分ですが)が稀なのと同じで。
ちなみに対位法というのは、一つの旋律と対になる旋律がそれぞれ独自に同位置で鳴っているもの。
対位法をロック・ミュージックで、(しかもブギー・スタイルで)プログレ以前にこれだけ大胆に使って見せたのは、おそらくマーク・ボランが初めてかもしれません。
トニー・ヴィスコンティが仕掛けたのかもしれませんが。
ビートルズはマッカートニーの曲でいくつか顕著にかつ、さりげなくやってますが。
ここまで書いて、思った。
「自分、こんな朝っぱらからなに書いてんだろ・・・」
あと、対位法の使い方。間違っているかもしんない。
つっこめる人いたら、つっこんでください。
by 幻燈遮断機 (2006-06-17 06:00) 

幻燈遮断機

笑顔が日本一魅力的な人、こんばんは。
上の人、「対位法」とか語っちゃってアホですね。
ダメですね。自分ですが。
あと、ワーゲンじゃなくてクーパーだ。
なにが「ワーゲイン」だ。猛省しろ!
自分ですが。
やっぱ妙な時間にコメントするとダメですね。
言い訳ですが。
by 幻燈遮断機 (2006-06-17 18:30) 

milk_tea

幻燈さん、コメントどうもありがとうございます!
この幻燈さんの、自分で書いたコメントに再度追って自分でツッコミを入れる
パターン、最近別のブログでも見ましたね(笑)

>それはパット・メセニーというギタリストは、かなりの個性派なのなだな。

私の捉え方としては、ただただ美しく、歌うように囁くようにギターを弾く人、という
だけなのですが、その音作りはよくよく聴くとやはり個性派なんでしょうかね。

>この手のアーティストは、聴く人はほぼすべてのアルバムを聴くが、
>聴かない人はまったく聴かないかの、二つに別れる宿命の傾向。

意外でしたけど、なんかそうみたいです。

>例えばT・レックスのマーク・ボラン。
>ヴィブラートを多用した歌唱。

グラム・ロック・・・・ですよね。あまり詳しくないです。
彼もやはり「聴かない人は全く聴かない」系なんですか。
クセのある民族料理みたいなものですかね~。タイ料理のパクチー(香草)なんか
キライな人は絶対食べないけど、好きな人はそれが好きでタイ料理を好んで
食べるって感じですからね。(つまらない例えですけど・・・・)
パットメセニーはそういう個性が立つ感じとはもしかするとちょっと違って、真の
ジャズ好きから見るとちょっとメロディアスすぎるというか音が軽すぎるというか
・・・でもフュージョン寄りの人から見ると逆にアプローチがディープめに見えたりと
どこかジャンルの隙間にいるのかもしれません。

>ちなみに対位法というのは、一つの旋律と対になる旋律がそれぞれ
>独自に同位置で鳴っているもの。

ふぅ~ん・・・・「All You Need is Love」 の最後のほうでポールが
She Loves Youのサビ歌ってるような・・・・?(それ、違いそう)

>笑顔が日本一魅力的な人、こんばんは。

(笑)・・・読んでいるなら、傍観してないで貴方も入って下さい~!

それにしても、ここんところあまりにso-netがつながりが悪かったので、記事を
更新する気力がすっかり抜け落ちてしまいました(苦しい言い訳)
そろそろ書かないと、人が来なくなる~(泣)
by milk_tea (2006-06-18 00:07) 

幻燈遮断機

南野 陽子がドッペルしているお美しいお姉さま、こんばんは。
T ・ REXは、名盤選なんかによく取り上げられている
「エレクトリック・ウォリアー」と「スライダー」の二枚だけって人が、結構僕の周りには多いです。大多数の人は聴きもしませんが。

>クセのある民族料理みたいなものですかね~。
なかなか面白い例えですよ。コレ↑。
ティラノザウルス・レックス時代は、エスニックなパーカッションがポイントの一つでしたし。

>ふぅ~ん・・・・「All You Need is Love」 の最後のほうでポールが
She Loves Youのサビ歌ってるような・・・・?(それ、違いそう)
これはサスガに違うかと(汗、 こういうお遊び的なのとは少し違くて、
「Hello goodbye」でポールが曲の主旋律を歌っているところで、ジョンが妙な歌詞を被せてきますよね。
相反する歌詞と旋律。けど美しく纏まっている。
二つの独特の旋律が同位置にあって、かつ二つとも楽譜上で破綻せず上手く成り立っている感じです。
譜面に起こすと、多分あのポールのパートとジョンのパートは綺麗に重なるはず。当たり前ですが。
二つ以上のメロディーが互いのメロディーを上手く引き立てて本来のメロディーの魅力を上げている。みたいな感じです。
by 幻燈遮断機 (2006-06-18 01:43) 

milk_tea

バッハの小フーガト短調(だっけ?)みたいな展開のことでしょう。
延々別のメロディが折り重なっていく感じ。わかりますわかります。
All You Need is Love は冗談です(笑)
ビートルズは、それと気付かない感じで高等手法をさりげなく取り入れてるのが
偉大なところなんでしょうね。
音楽とは奥深いものですよねえ~(←すごい雑駁なまとめ方。)
by milk_tea (2006-06-18 01:50) 

幻燈遮断機

初期のころのビートルズはキャッチーなメロディで一気に聴かせてしまう。
という感じだったでしょ。
アルバムでもジョンの曲のほうが、存在感が強い(と思うのは僕だけ?)。
いかにもビートルズのリーダーはジョンだ。みたいな。
ポールは多分、MR.マーティンから西洋音楽の基本的な作曲技法であるところの「対位法」を学んだのではないでしょうか?
ジョージ・マーティンはクラシック畑の出身。
そこで出てくるのが「Yesterday」ですよ。
ギターの主旋律に、明らかに対位法を用いて作られたであろう弦楽四重奏が奏でるメロディ。
当時のクラシックの人たちが、この曲を絶賛したのはこの技法だったのではと思うんですよ。
「ほう。あの若造、対位法で曲創ってるぞ。面白いじゃないか」ってね。
耳にタコの「Yesterday」って、結構実験色の高い曲なんですよ。
まだ対位法を使った作曲の試作品という感じですけど。
次に出てくるのがポール独特のメロディアスなベース・ラインです。
って長くなりそうなので止めます。
こういう薀蓄たれるのは僕の悪いクセ。
あと、真面目にコメント書くって、疲れるものですね。ってのも分かった。orz
ごきげんよう。お美しいお姉さま。
by 幻燈遮断機 (2006-06-18 02:17) 

げんとうしゃだんき

>All You Need is Love は冗談です(笑)
>バッハの小フーガト短調(だっけ?)みたいな展開のことでしょう。

知ってたんなら、はよう言って(泣)。
by げんとうしゃだんき (2006-06-18 02:22) 

milk_tea

いえいえ、すいません。「もしやこのこと?」って徐々につながっただけでした。

>耳にタコの「Yesterday」って、結構実験色の高い曲なんですよ。

そう、イエスタデイは「もう一生聴かなくていい」というくらい聴いたような感じで
今もう音源も持っていないのですが、この曲も対位法と言われて「えっ、どこが
だっけ?」ってさっきから頭の中で鳴らしてるのですがわかりません。
そうなんだ~。
ビートルズソングでその手法を使った曲を手当たり次第洗い出してみたら
面白そうですね。そんなにたくさんあるのかはわかりませんが・・・。
by milk_tea (2006-06-18 09:01) 

parlophone

milk_teaさん、こんばんは~。
激重&メンテ、激重&メンテ、激重&メンテ、激重&メンテ、…
を果てしなく繰り返すソネブロに憎悪すら感じる今日この頃^^;

あ、幻ちゃん、うちのブログでチャット状態かと思ったらmilkちゃんとこでもチャットしてたのね(笑。

ところでぼくもパットは1枚だけしか聞いたことなくて
(道路標識のようなものがジャケ写に写ってるヤツ)
あまり興味もなかったのですが、『ファースト・サークル』買います!!

だって変拍子って大好きなんですよ。
まずZEPがそうでしょ?
それからビートルズもとくにジョンの作品はそうですよね。
以前ここで盛り上がった「Happiness~」もそうですが、その後のポールの「Martha~」もさりげなく変拍子が使われてますよね。

それにしても、さり気にパワーポイントでブログを書くmilkちゃんって何者?
尊敬~~!!
by parlophone (2006-06-19 00:33) 

milk_tea

クロアチア戦の結果に、何だか消化不良でボーゼンとしているmilk_teaです。
まあ、「勝ち」以外では意味がなかったわけですが、そうは言っても全敗で帰国
するのと、勝ち点1でも取って帰ってくるのとでは、成田空港でのムードもだいぶ
違おうというもの。まあ、いいか。

と、本題とは何ら関係ない話で恐縮でしたが、parloさん!来て下さいましたね。

道路標識のは「オフ・ランプです」。あれはちょっと暗めで、"1枚だけ聴いてみた"
には不向きだったかも知れません。
「ファーストサークル」の、1曲目に困惑し、2曲目でハイテンションになり
3曲目の変拍子グルーブに酔いしれ(手拍子も一応やってみたりし)、4曲目で
しっとり癒されて・・・・みたいな楽しみ方、parloさんにも一度是非してみていた
だきたい!少なくとも「なんだぁ、こりゃぁ~!ガッシャーン!(ちゃぶ台ひっくり
返す音)」ということはないと思う(願う)のですが。
by milk_tea (2006-06-19 01:13) 

parlophone

オーストラリア戦のときは、「まあ、済んだこと言ってもしょうがねえや」って気分でしたが、2戦続けて同じような試合(とくに後半戦)やられると、なんだかカッカ来ますね!
頑張ってるのは川口だけぢゃん!!
おらぉら、寝惚けた試合してんぢゃね~ゾ!!
なんちって^^;

>1曲目に困惑し、
>2曲目でハイテンションになり
>3曲目の変拍子グルーブに酔いしれ(手拍子も一応やってみたりし)、
>4曲目でしっとり癒されて・・・・みたいな

いいですねえ~~。
ぜひ聴いてみて、また感想書かせてもらいます^^
by parlophone (2006-06-20 00:28) 

groove

はじめまして。
この記事、ちょっと感動してしまいましたので、
勝手ながら私のブログで紹介させて頂きました。
by groove (2007-03-16 22:35) 

milk_tea

grooveさん初めまして。
ブログ覗いてまいりました。ビックリ!Deepだぁ~!左右にサイドバーを構え
ものすごい情報量。でも結構私がよく聴くアーティストも沢山です。
こういうブログ書く方に感動してもらえたとしたら・・・・不要な苦労をして手拍子
の図解をした甲斐がありました!
ここ、ジャズは少ないし浅いのですが、お暇な時にでも他のところも読んで
みて下さいね!私もあとでもう一度拝見しなおしま~す。
by milk_tea (2007-03-17 00:13) 

ビヨンボルグ

ニーズがあって「パット・メセニー」「手拍子」で検索をかけたらこのブログが1番に出てまいりました。
驚愕のブログ発見です。目ウロコです。
その道のクロウトでも、完全なるシロウトでも、最後まで面白く読める内容と構成になっている。
ススス・スゴォイ
速攻ブックマークです。
しかもどうも書いておられるのは若い女性ではありませんか???
ハンサムウーマンとはこういう方のことでせうか。

ファーストサークルのリズムの不思議をこれにて理解です。
頭の休符は気付いてない人多いでしょう。
(すみません私も)
by ビヨンボルグ (2007-12-20 11:28) 

milk_tea

ビヨンボルグさん、当ブログにお越しいただきコメントまで頂戴して
どうもありがとうございます!!
えっ、1番に出てきた?どれどれ・・・(やってみる)

ぐぉ!ホンマや!(笑)1番に出てきますねぇ~(yahooで見てみました)

>しかもどうも書いておられるのは若い女性ではありませんか???

ん・が・ぐ・ぐ・・・(サザエさん風)
女性ですが、そ~んなには若くないことを明記しておきます・・・・。
でも、ハンサムウーマンという誉め言葉はそのまま戴いておきます!
そうそう、頭の休符、気付いてない人多いと思いますよ。
どこかのサイトでも、音楽の大家みたいな人が朗々とこの曲の手拍子を
解説していたんだけど、なんと間違っていました。やったー!
またお越し下さいね!
by milk_tea (2007-12-21 18:10) 

Smetana

突然に失礼します。
大学のオーケストラで顧問らしきものをやっていますが、何か新しい方向性の曲をやってみたいと構想を練っている段階で、リズムの凝った曲がやってみたいと考え、この曲が候補に挙がりました。(私が勝手に挙げただけです。)
ハンドクラップなんかも織り交ぜたりなんかしてアレンジ次第で豪華な1曲になるのではと無謀な夢を描いてしまい。
そこでまずこの曲のリズムをどう捉えるべきかと調べている時にこちらのブログに辿りついたわけです。説明が面白くて一気読みでした。
学生たちがこの「ビュンビュン」と「チャッチャ」のレイヤー感覚を共有し、困難なリズムの上に整然と音を乗せ一つに出来た時の愉悦はいかばかりであろうとウキウキしたのですが、やはり最終的には断念に至りました。
忙しい学生にこのために何百時間も練習させられないですし。それ以前にこの曲のすごさや、tryしてみる価値を理解してくれる同調者がいない。無念です。孤独です(男泣き)

色々な切り口で非常に面白い音楽ブログですっかり気に入っています。また、だから何?って話ですが私も横浜在住です。
by Smetana (2015-09-03 14:52) 

milk_tea

Smetanaさん初めまして。Patの記事にコメントありがとうございます!
オーケストラで First Circle やろうとされたんですか?へ~!・・・と思って今ちょっと調べてみましたけど、オーケストラではないけど、ビッグバンドで演奏する譜面はありましたね。だからきっと、オーケストラでも出来そうですね。
ま~、でもおっしゃるとおり、相当時間をかけて練習しないとまとまらなそうですね。それぞれが脳内で6-5、あるいは3-3-3-2の数を細かく数えながら演奏をしないといけないから眉間に皺が寄っちゃいそう。でも、

>ハンドクラップなんかも織り交ぜたりなんかしてアレンジ次第で豪華な1曲になるのではと無謀な夢を描いてしまい。

確かに、手が空いてる人がチャチャッチャッの手拍子をしたり、楽しくてゴージャスな仕上がりにはなりそうですね。やっぱりやってみてくださいよ~!横浜近辺なのだったら演奏会、是非見に行きたいです♪

>それ以前にこの曲のすごさや、tryしてみる価値を理解してくれる同調者がいない。無念です。孤独です(男泣き)

まぁ~、我々パットメセニーファンにしてみたら、おそらく一番人気の神曲ですが、一般的にはそんなにメジャーじゃないでしょうからね。
「何だ?この曲。拍の頭どこ?ワケわからない」って感じではないでしょうか。

私のブログも10年目に入ったらしいので、横浜辺りで一度記念OFF会でもやって、レベッカだのPatだの、皆さんと音楽トークに花を咲かせたいところですが、いざ待ち合わせ場所に行ってみたら待てど暮らせど誰一人やってこない図が容易に思い浮かび、怖くて絶対やりたくありません(笑)
ところで、Smetanaといえば「モルダウ」。中学の時合唱で歌いましたよぉ~。
Patでいくつか記事は書いていますので、またコメントいただければと思います。
by milk_tea (2015-09-03 23:06) 

milk_tea

Smetanaさん、再びすみません。
昨日会社で、雑談交じりにジャズのビッグバンドでバンドマスターをやっている同僚(うちの会社、時々そんな人がいる)に、「ファーストサークルってオーケストラで出来ますかねえ」と聞いてみたら、「できるんじゃないかな、むしろやってみてもらいたいよね」という見解でした。(もう断念されたそうですけど一応お知らせ。)

イントロ(主題の前)は、クラリネット、フルートなど木管、あとハープでアレンジしたら、と。細かいドラム表現はタンバリンとトライアングルとかで。
ペドロの歌部分はミュートトランペットとフルートとピアノのユニゾンでどうだろうと。
後半はティンパニ、シンバルも入れてシンフォニックに仕上げる。などなど。
(釈迦に説法みたいな話だったらすみません)

あと、頭とラストのチャチャッチャの手拍子は、会場に来ている仲間たちが客席からやったりしたら感動的ではないか??という話をしてまして、その案を聞いて脳内で想像してみただけでも「それ、超・感動的じゃん~!」って涙が出そうになりましたね、私は(笑)
あれって手拍子だけでも相当練習がいるし、ステージに上がらない部員たちとの一体感も出て最高なんじゃないでしょうか。

というか、「ファーストサークル」っていうタイトルで青春映画になりそうだなって話になりました(勝手にエラい飛躍)。
まあ、だめな高校の部活がみんなで頑張ってコンクール優勝、みたいな超ありがちな内容にはなるのでしょうが、それらとちょっと違うのは、映画を見ている人も一緒にファーストサークルを頭からなぞって一緒に演奏しているような気になれる、音楽解説型の映画というかな。先生がする部員への説明が、映画見てる人にも同時に説明しているような作り方。ちょっとアカデミックでウケそうですよね。

で、もちろん主役はSmetanaさんなわけですよ。他校から赴任してきたちょっと変わった先生(←失礼だろ)が新たに吹奏楽部の顧問になり、「この曲でコンクールどうでしょうね?」と突然言い出してみんなに反対されながらも徐々に共感を得て・・・みたいな。
Smetanaさんにあたるその主役は「大沢たかお」でどうだろうってその同僚が言ってます。私は、興行成績のためには生徒役に「広瀬すず」は必須だろうと提案しました。

・・・・ということで、よくわからない方向になってまいりましたが、とにかく!
オーケストラでファースト・サークル!!
やってみてくださいよぉ!!!!見に行きますから!

あ、最後に、パットメセニーとメトロポールオーケストラ?がファーストサークルを演奏している映像がありました。
https://www.youtube.com/watch?v=1qRb1xt1APE
これ、けっこう参考になりそうです。
(断念したって言ってるのに、要らぬおせっかいですみません本当に(笑))

それにしても難しい曲です。何千回も聴いているのに、まだちょっとリズム構成が分からないところがある・・・。演奏者の皆さんの一糸乱れぬリズム、やっぱり音楽家ってスゴイなあ。
このyoutube映像の冒頭を見ても分かるけど、指揮者の指揮が最初っからすでにワケわからなくて、よくこれでイントロ演奏が始められるなぁと。
何度見てもよくわからない(笑)

久々にこの曲をまたじっくり聴いてみることができ、面白いコメントいただいたことに感謝です。
by milk_tea (2015-09-05 10:52) 

Smetana

こんにちは。
なにげなく再訪して、びっくりいたしました。つまらないコメントに真剣にお答えいただいてしまい恐縮この上ないです。
噂には聞いていましたが(噂ではないですね、自分で見たんですね笑)手厚く丁寧なコメントが返ってくる珍しくもありがたいブログですね。
私はオーケストラ顧問とは言っても指導者ではなく、指導者は別にいます。とはいえ、私も高校でブラスバンドをやっていたのである程度の経験と知識はありますが、楽曲をアレンジできる才覚はないんですよね。
その会社のお仲間の方は作曲や編曲もされるのでしょう。いただいた説明を読んで音が想像されワクワクしましたね。
みんなの熱意と練習時間があれば実現するでしょうね。折を見てまた候補に出すことも考えたいと思います。ありがとうございます。

なお、ご提示のメセニー動画は実は前にもう見ました。どちらかというと、これを見て、うちの部でもやってみたくなったというのかな。(笑)
客席での手拍子はとても良い案です。色々イメージが広がります。いまさら改めてですが、音楽は本当にいいですね。
長くなりましてすみません。
by Smetana (2015-09-06 15:27) 

suu

パットメセニーを検索してたどり着きました。Forward Marchのあたり、同じような感想をお持ちの方が私だけでなかったことが確認できて妙に安心いたしました。思えば高校生の頃に初めて自分専用のオーディオ機器を持って最初に録音したのがAmerican Garageで、以来30年ぐらい付き合っています。つらい事とかあった時もStill LifeやOfframp聞いて自分を癒していたような気がいたします。たぶんあと30年くらい経過して棺桶に入る頃まで聞いているのでしょうね。最近難聴気味ですけど。
by suu (2017-10-15 10:52) 

milk_tea

suuさん、Pat Metheny の古い記事にコメントを頂戴し誠にありがとうございます!
実は私はこれ意外と好きで・・・(自画自賛)文章はイマイチですけども。
ずっとしっくり来ていなかった First Circle のリズムがようやく理解できて本当に嬉しかったんですよね。
なぜかこのエントリーは今もヒット数が高くて、「あのリズムは何なんだ??」って検索してみる人がかくも多いということだと思います。

で、Forward Marchは本当に謎。町で一番ヘタクソな吹奏楽部みたいな導入をイントロで数十秒やるという感じなら面白いけど、あれって余裕で3分くらいはあるでしょ?ふざけるのか、本気でやるのかどっちかにしてよ!って感じがするんですよね。
まあ、おかげで2曲目の Yolanda が必要以上にクールでカッコ良く聴こえるという効果は出ていますが。

suuさんはPMGではAmerican Garageが一番お好きな感じですか?
私はこれの次に出た OfframpからLetter from Home までの5,6枚ですね。その辺りはもう、どれも好きです。
おっしゃる通り、聴くと本当に癒されるというか、いや癒されると言っちゃうとただのHealing Music みたいですけど全然そうではなくて、常にピンと張り詰めた、ちょっと人嫌いな感じの乾いた空気を持ちながら柔らかさや奥深い優しさを併せ持つというようなサウンドだと思っています。
棺桶に入る時かあ。自分の葬儀の時にパットのBGMはいいかもしれませんね。
しんみりはしていても、どこか淡々としているから悲し過ぎない。
やっぱりそこで使うとなると、Travels かFarmer's Trust かな。いや If I Could もいいし September fifteenth もいい。うーんやっぱりパットメセニーいいですね♪
by milk_tea (2017-10-17 23:51) 

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