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『Taxi Driver』 ~大都会の孤独・・・ 『タクシードライバー』サントラ盤~ [サントラ]

               

「貴方の好きな映画は?」
これまでの人生において何度かこの質問に突き当たったことがあるが、そのたびに私は
「タクシードライバー」と答えてきた。
実際、大好きな映画は他にも当然山ほどあるのだが(これについて語るのはまた別の機会に
取っておくとして)、深夜に独りで起きていたりして、静かな空間にまったりと身を置きながら
ふっと何か心癒されたい時、素の自分を取り戻したい時などに無性に見たくなるのが私の場合
断然この映画だ。
こんなトーンの暗い、絶望感漂う映画で心癒されるのはおかしい、と思われそうだが、実際に
癒されるのだから仕方がない。

誰もが同意することだと思うが、この映画の魅力の半分は、いや、もしかすると7割くらいは、その
主題曲にある。
よくぞこんなに都会の孤独、冷たさ、淋しさ、そして文字通り都会的なクールさ・カッコ良さを端的
に表現する音楽を当て込むことが出来たと思う。
優れた作曲家に頼んだからといって、そして映画のコンセプトを映画監督が作曲家に何十時間
ついやして伝えたからといって、ドンピシャの曲が納品されるとは限らない。よっぽどの厚い信頼で
結ばれている関係であっても、両者のイメージが完全に合致するというのは奇跡に近いのでは
ないだろうか。しかし、時に奇跡は起こる。この映画がそうだ。
おそらく、このメインテーマなしには、この映画のここまでの成功はありえなかった。

もう少し言うと、このメインテーマと、ロバート・デ・ニーロの起用という2つが成功の最大のカギ
だったと思う。
デ・ニーロ扮するNYマンハッタンのタクシー運転手トラヴィスの、暗く内向的な雰囲気だけなら、
もしかすると他の平均的な俳優でも演じることが出来るかもしれない。が、眼光が渋く鋭く、一瞬
知的なものを感じさせながらその一方で、どこか目の焦点が合っていなく、頬の右側に目立つ
大きなほくろをゆがませて浮かべる半笑いに何とも下卑た感じを漂わせ、いかにも育ちが悪く
教育を受けていない愚鈍さを感じさせるような、相反する要素の不安定だが絶妙なバランスは
デ・ニーロだけの卓越した演技力と存在感でしか、恐らくありえない。
また、暗くボソボソと世をすねている感じの彼の声のトーンもまさにこの映画の映像のくすみ方に
ピッタリはまっていて、あの有名な日記の独白が音楽に重なるシーンなどは、にじむように流れる
マンハッタンの夜の映像とどんよりと混ざり合って極めて秀逸である。

また、共演の2人の女優(シヴィル・シェパードとジョディ・フォスター)がどちらも文句なく素晴らしい。
私個人的には、少女の娼婦役でデニーロと共にこの映画で確固たるポジションを得ることとなった
ジョディ・フォスターよりも、大統領選挙事務所で働くキャリア・ウーマン役のシヴィル・シェパードの
方が印象が強く、個人的には大好きである。

少し話はそれるが、(いや、音楽ブログなのだからこちらのほうが本筋か)シヴィルは片手間に
ジャズボーカリストもやっている。
片手間とは言っても、10枚以上のアルバムも出しているので本格的に違いないが、あくまで
女優業の傍らに趣味で歌っているという雰囲気は否めない。
私もたまたま1枚アルバムを持っている。『Mad about the Boy』 という、ジャズとボサノヴァの
スタンダードのカバーアルバムなのだが、なんとスタン・ゲッツも参加していて、映画の中での
知的なイイ女っぷりそのままの、スマートでオシャレな作品だ。

                  『Mad about the Boy』                      
これを買った当時(90年くらいか)、あまりにカッコイイので数人の友達に無理矢理貸したものだが
皆んな、「うん、なかなか雰囲気良かったかも・・・」とかいって、いかにも「まあ普通かな」という感じ
で早々に返却してきた。
皆んな、あれが名画 『Taxi Driver』 の、トラヴィスが恋焦がれる白いドレスの女ベッツィーが
まさに歌っているのだ!という有難味をちっともわかってくれていないのであった。

さて話は戻るが、このサントラ盤は、昔サントラとしてずっと売られていたバージョンではなく、比較
的最近発売された「コレクターズ・エディション」と呼ばれるもので、前者が、実際映画の中で使われ
ていなかった曲も多く含むのと違って、全て映画に使われたもので、しかも登場するシーンの順序
そのままで配列された、完全なるサウンド・トラックである。なので、映画の感動がそのままで、
ファンにとってはたまらない1枚となっている。
しかも、しかも、後半には、前述の「日記の独白」が、映画の中のトラヴィスの語りそのままの形
で、音楽と共に挿入されたバージョンまで入っている。泣ける。
なんと言ったって、これこそが、この映画を象徴する退廃的な空気感を最も色濃く醸し出すパート
であるからして。

さて、最近の私のちょっとした趣味(?)である、「英語の聴き取り」を、今回もこれを書くために
再度試みた。(完全にヒマ人だ)
(一応英語を自分の得意分野としているのに、ペンとノートを持って何十回も聴きなおして書き取ら
ないとヒアリングがまともに出来ないというのもホント、どうなんだろう。だって、難しいんですよ、
ネイティブの真の日常会話というものは・・・・)
で、必死に書き取りをしたが、あまりに聴き取れない部分ばかりで呆然としている時に、ふと
「もしや???」と思って、写真ばかりのCDジャケットを広げてみるとナント!その独白部分が、
タイプライターのような字体で、そこに全文書かれてあるではないか。(何という徒労・・・)

せっかく書き起こしてもみたので、私の英語の間違いを正しつつ、正解を下記に記す・・・・
(長いので、印象的な部分のみ)

                        ・・・・聞き取れなかった箇所  
                        傍線・・・聞き間違いの箇所
                        ・・・・ライナーのほうが間違ってると思われる箇所

  May 10th.
  Thank God for the rain, just help wash out away the garbage
  and the trash of off the sidewalks.
  I'm working long hours now, 6 days a week, sometimes 7 days a week.
  So long hustle, but it keeps me real busy.
  I can take in three....three fifty a week, sometimes even more
  while I do it off the meter.
  Oh, yeah, all the animals come out at night.........Buggers, Queens, Fairies,
  Dopers, Junkies..... Sick. Mean old Venal.
  Some day a real rain will come and wash all the scum off the streets.
  I go all over, I take people to Bronx, Brooklyn, I take'em to Harlem,
  I don't care. Don't make no difference to me.
  ・・・・・
  Twelve hours work, and I still can't sleep.
  Damn........Days are long and long go on and on ......don't end.

    5月10日・・・
    ありがたい。恵みの雨がゴミや紙屑を舗道から洗い流していく。
    俺は今、長時間勤務をしてる・・週に6日・・・たまには週7日働く。かなり大変だ。
    だけどおかげでやたらと忙しいままでいられる。今稼ぎは週にだいたい350ドル・・・
    メーターを倒さずもっと稼ぐこともある。
    そう、夜には獣どもが出てくる。ホモやらオカマやら、ヤクの売人やら、中毒患者やら。
    完全に病んでる。腐りきってる・・・。いつか本当に雨が降って街中のどうしようもないやつらを
    洗い去ってくれればいい。
    俺はどこへでも行く。ブロンクス、ブルックリン、そしてハーレムまでも客を乗せる。どうってことない。
    俺にとっちゃたいした違いなどありはしないのだ。
    ・・・12時間働いたが、まだ眠れない。
    くそう・・・一日が終わってまた次の一日がやってくる・・・永遠に終わらない。

ここでまず出色なのは、通りを行き来する腐ったやつらの描写である。
この普段あまり馴染みのないスラングたちは、研究社中辞典の和訳によれば

  Bugger・・・ (卑)男色者
  Queen・・・ (卑)女役のホモ
  Fairy・・・  (口語)女性のようにふるまうホモ
  Doper・・・ (口語)麻薬の売人
  Junkie・・・ (俗)ヘロイン常習者

どれも、確かにロクなもんじゃない。何よりも、上記3つの違いがよくわからない。
並べて呼ぶからにはこれら3種は全部意味(役割?)が違うのだろうが。
ま、今後使うこともないだろうから、これ以上突き詰める必要もなさそうだが。
(たとえ私が誰かに、カッコつけて「Hmm, She must be a Queen. (あの人ってオカマでしょ)」
とか言ったとしても、冷たく「いや、女王じゃないよ、普通の庶民だよ」と返ってくるだけだろう)

掃き溜めのようなNYのすさんだ裏通りを、見るからにまともじゃない上記の人々が所在なげに
ウロつく映像にかぶる、このナレーション。そして、吐き捨てるように、「Sick. Venal.」
カーッコイイ~。(感動ポイントが何か違うでしょうか?)
ところで、私はずっと、この「Venal」のところを、「Mean old (いじきたない、下品な、というような
意味で)」だと思い込んでいたし、改めて聴いてもそうとしか聞こえなかったのだが、
ライナーには「Venal」とあってビックリした。辞書をひもとくと Venal=(形)腐敗した とある。
知らなかった・・・・・・。

と、そんなこんなで、ピンポイント鑑賞をしていると、きわめてキリがないのでこのへんで
やめておくが。(本当は1語1語言及したい!!)

深い孤独の果てに、永遠に続くかのように見える狂おしい日常に見切りをつけようとすると、
比較的容易に手に入る「非日常」にまず目をつけるのは当然であり、それは何と言っても
「恋愛」に他ならない。
トラヴィスも、その恋は自然発生的だったかもしれないが、潜在意識には、とにかく心許せる
恋人を見つけることで、何とか孤独からの脱却を試みたわけだ。
しかしその恋は成就せず、元いた場所よりも、もっと深く暗い孤独に追いやられることになり
そうなると、もうひとつの「非日常」・・・・それは大統領の暗殺を試みるとか、娼婦をさせられて
いる少女の命を張っての奪還などという、まさに文字通りの非日常の世界に踏み入っていく
しか道がなくなるのだった。
実際、中盤から急激にキナ臭くなっていくストーリー展開には多少無理を感じないこともない
のだが、ただ大都会の闇に紛れてため息をついている1人のさえない独身男のさえない日常、
という単調な展開だけではこれだけの余韻を残す名作にはやはりなりえなかったと思う。

音楽を語るはずが、気付くと映画の中身について語ってしまった。
しかし、このアルバムに関する限り、音と映像は完全にセット売りなので仕方がない。
あの有名すぎるメインテーマを吹くトム・スコットの流麗なサックスは、どのアレンジのバージョンを
聴いても、文句なく素晴らしいし、管楽器のオーケストラによる不協和音を多用した効果音もスゴイ。
ハープの使い方も個性的でいかにも美しい・・・・・etc・・・・ 

しかし、やっぱり曲そのものに関する細かい描写をここで加えても何となく上滑りになってしまう。
とにもかくにもまあ、まず映画を見てみてよ、という感じなのである。


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roland bynum

はじめまして。
作曲のバーナード・ハーマンはどうですか。
「チャイナタウン」のあの虚無と倦怠の混じったような半死半生の
雰囲気も堪らなかったです。
スコルセーシはミーンストリートからカジノまでギャングスター物が気に入って
何度も見ましたが、音はタクシードライバーがダントツですね。
by roland bynum (2005-11-01 17:29) 

milk_tea

roland さんこんにちわ。
roland bynum.....外人さんでしょうか?(アホな質問)
私はバーナード・ハーマンと言ったら、ヒッチコック監督作品の音楽、くらい
しか知識ありません。「チャイナタウン」・・・知らないです~。
スコセッシ作品は、他にレイジング・ブルだけは見ました。でもやっぱり
タクシードライバーですよね。
映画お詳しいんですねー。私はたいてい、音楽でも映画でも、オモテに
見えているその表現部分だけを単純に鑑賞するばかりで、だいたい何でも
造詣はきわめて浅いです ^o^;
by milk_tea (2005-11-01 22:57) 

roland bynum

ロマンポランスキーのチャイナタウン、ぜひ見てください、または聞いてください。タクシードライバーの方は虚無の中にもそっと孤独な心を慰めてくれるような哀愁がありますが、チャイナタウンはあまりに虚無的で、息も絶え絶え、もう
死んでもいいやという感じにさせてくれますよ。
by roland bynum (2005-11-02 14:12) 

derosa84

milk_tea様
ブログ拝見しておりました。
タクシードライバーは僕も最も好きな映画です。さすがに最近はあまり持っているビデオをみることもなくなりましたが、以前は(我が家に初めてビデオデッキが来た頃)かなりの割合で見ていました。
封切当時、中2だったかな、自称映画少年の僕は雑誌スクリーンかロードショーの紹介を読んで、(カンヌグランプリ受賞の記事など)そして決して肉体派ではないデ・ニーロの44マグナムを構える写真をみて、前売り券を握り締め見に行ったのを覚えています。当時、映画というと何人かの友人同士で行くのが当たり前でしたがコレだけは何故か独りで観に行きました。これも印象的な自分なりの出来事だったのでしょう。そして幼いながらに男のつれない世界を垣間見た気がしてなんとも言いがたい感動を受けました。
そしてシビル・シェパードの美しさににもやられてしまいました。当時もジョディー・フォスターに注目がいっていましたが(天才子役女優として)やはり僕もトラビスおなじでベッキーにしか目はいきませんでした。そんなことからも分かると思いますが完全に自分もトラヴィス・ビックルになっていたんですね。
そこで幼い僕はモデルガンを買いにいきタンカースジャケット(終止着ていたジャケット)とM-65(銃撃のシーンで着ていた)そしてあのサングラスを手に入れるという暴挙に出たのでした。よなよな鏡に向かって銃の早撃ちを練習したりして・・・でもモヒカンにはしませんよ(笑)コレって今で言うコスプレですよね?
でも、それだけ感情移入をした映画なんですよ。僕にとっては
by derosa84 (2006-01-16 22:42) 

milk_tea

derosaさん色々読んでいただき恐縮です。(nice! までも。)
いきなり濃いコメント戴き嬉しいですね~(本ブログでは、本文・コメント全てに
濃いい、というのが常に望ましい。)
「空模様の」と「タクシードライバー」だけで、すでにもう強力接点です
よ~。(^∀^)

>封切当時、中2だったかな、

私はその頃たしか4年生くらいだったから・・・3つ4つ上ということですね。
私の最も縁の深い年代です、それは・・・(今も友人にはその年齢層多い)

>何人かの友人同士で行くのが当たり前でしたがコレだけは何故か独りで
>観に行きました。

そんな中2、渋い!!いいですね。

>男のつれない世界を垣間見た気がしてなんとも言いがたい感動を受け
>ました。

あの映画のミョーーな魅き付け力、ありゃ何でしょうね。
徹底的にやるせないんだけど、疲れた心に何故かハマるんですよね。
しかし、中2の少年がトラヴィス・コスプレに走っていたのはカワイイですね。
(本人は大真面目でしょうけど)

>そしてシビル・シェパードの美しさにもやられてしまいました。

はい、私も大好きですね~。オトナの女!って感じですよね。
体型なんかも、セクシーではありつつどこか旬を微妙に超えてる感じが
あるのがいいんです。胸元のラインとかやや中年ぽいんですよね。
私のブログの、タクシードライバーじゃないところで少しこの映画について
語った時があったなぁと思って今探したら
http://blog.so-net.ne.jp/milk_tea/2005-10-24
これのコメントの後半のほうでした。ご参考。(ま、たいしたもんでもない)

とにかくたまらない映画ですね。また何か引っ掛かったページがあったら
感想教えて下さいね。私もまた伺います。
by milk_tea (2006-01-17 00:10) 

Gintonic

シビル・シェパードが歌を歌っていたとは初耳でした。『こちらブルームーン探偵社』で共演したブルース・ウィリスがロックシンガーだった頃の映像はみたことがあるのですが…。
『タクシー・ドライバー』のジョディ・フォスターと『ダウンタウン物語』(アランパーカー監督デビュー作品、音楽が全編ポール・ウイリアムス)のジョディ・フォスターは同い年だったんだとここにきてやっと認識しました。
〉トーンの暗い、絶望感漂う映画
ということで人にはあまり薦めないのですが、1995年の『リービング・ラスベガス』(この映画でニコラスケイジがアカデミー賞主演男優賞受賞)は相当私の心に残っている映画です。スティングが歌うスタンダードナンバーが全編に流れます(これがイイ…)。観た後、暗澹たる思いになること請け合いの映画なのですが…、はたして癒される人っているのかしら。
by Gintonic (2008-06-18 09:25) 

milk_tea

Gintonicさん、こちらにもコメントどうもありがとうごさいます。
そう、シビル・シェパードはジャズ・シンガーやってたんですよね~。
でも程度としては、モデルの川原亜矢子がジャズアルバムを1,2枚出して
いるっていう感じに近いレベルと思います。森口博子にも及びません。
(個人的には森口博子が物知り顔でジャズを歌っているのには、やたらと
抵抗があります。関係ありませんが)

で、『リービング・ラスベガス』私も大好きな映画です!!!気が合いますね。
あれは私は癒されます。タクシードライバーに癒されるのと同じ世界じゃ
ないですかね。淋しいのは自分だけじゃなさそうだ的な癒され方かな・・・。
エリザベス・シューの何ともうつろうような美しさが際立ってますしね。
あれは日比谷に1人で平日に観に行ったんだった。暗いなぁ(笑)

by milk_tea (2008-06-19 02:28) 

TTS85

こんにちは。
他の記事から飛んできました。
この映画を好きだと言う人は、多かれ少なかれ孤独な人間にちがいないと思う。
おそらく、毎週末、太陽の下で仲間たちと草野球かなんかやって練習試合で辛くも勝利したあと、居酒屋で旨いビールを飲んで騒いで、心地良い疲労で眠りにつくような人種はこの映画が好きだとは言わないだろう。
それを何かにつけて繰り返し観てしまうという、女性にしては珍しいmilk_teaさんの心の屈折に親近感を覚えます。

マーティン・スコセッシはおそらく、都会の孤独をタクシーのフロントガラスに映る滲んだ風景越しに映像にしてみたかっただけで、中盤のドンパチにはさほど意味はなかったのではないかと感じる。前半の平坦な日常の描き方のほうがはるかに心に入ってくる。ここはmilk_teaさんと同じ感覚ではないかと思います。

と、再度milk_teaさんが書き残したものを見ていたら、この映画について

-病んでいる都会には今日も明日も、どんよりと濁った空虚な夜が訪れるのみで、トラヴィスが大統領候補に言っていた「水洗便所のようにこの街を洗い流してくれる」何かなど、ありはしない。漂うようにこの街で生きて行くほかないのだ。ということで、この映画は変に空しい。その空しさがこの映画の価値なんでしょう。

と書いているのを見て、もう僕がここであれこれ言ってもmilk_teaさんよりうまい表現は出来ないということを知った。笑
最後のシーンがいいんですよねえ。ベッツィとのタクシーの中でのやりとり。この女優さんは今はどうしているんですかねえ。

ということで、中身がなくてすみません。「milk_teaさんの感動ポイントに僕も1票!」というだけのことでした。笑
by TTS85 (2014-04-15 00:49) 

milk_tea

TTS85さん初めまして。来訪&コメントどうもありがとうございます。

>おそらく、毎週末、太陽の下で仲間たちと草野球かなんかやって
>この映画が好きだとは言わないだろう。

確かに、毎週末仲間たちとスポーツして発散しているような人は、こういう映画は好まないでしょうね。ダイハードとかインディジョーンズとかかな、好きなのは(笑)

>milk_teaさんの心の屈折に親近感を覚えます。

心の屈折か。お恥ずかしいわ。
でもそうかもしれません。どこからヒネくれてしまったのかしら私は?(笑)

>中盤のドンパチにはさほど意味はなかったのではないかと感じる。

同感です。悲しいかな、平坦な日常だけでは映画作品になりにくいですからね。事件が起きないとね。たまにそういう(何も起こらない)作品もあるけど、珠玉すぎて単館上映、しかも短期間で打ち切りの憂き目にあうでしょう。
トラヴィスがピストルを手にAre you talking me? って鏡に映る自分に向かってセリフを吐く辺りからドラマはキナ臭く動き始めるわけですが、個人的にはこの辺からつまらなくなってきます(笑)

>最後のシーンがいいんですよねえ。ベッツィとのタクシーの中でのやりとり。

あ、私もあのシーン大好きです。色々あっても結局また淡々とタクシーの運転手をやっているあの結末もいいです。
うんざりするような日常を、何とか誤魔化し誤魔化し生きていくのが人生ですね。なんかあの映画観ると、そういう気分になるんですよね。
ベッツィ役のCivil Shepherdは、Wikiで見たら、タクシードライバーのあとはほとんどテレビ女優でやってるようですね。今64歳ですって・・・。
離婚2回で、2年前にまた婚約したんですって。華やかだな~
なんか久しぶりにタクシードライバー、観たくなったので今晩でも観てみます。
(VHSテープ。笑)

by milk_tea (2014-04-19 12:08) 

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